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【冷戦終結30年】旧共産国の一部は今も30年前の経済水準を下回る

Revolutions for Whom?

2019年11月11日(月)17時05分
クリステン・ゴッドシー、ミッチェル・オレンスタイン(共にペンシルベニア大学教授)

また、高死亡率と低出生率、人口流出により総人口は急減している。EBRDによれば、改革当時に生まれた人の平均身長は、その前後に生まれた人より1センチほど低い。

資本主義の恩恵を受けていない人々の間では社会への信頼が失われ、格差への怒りが高まっており、経済の好調な諸国でもポピュリストが勢力を伸ばす土壌となっている。心に刻まれた悲惨な記憶は鮮明で、今後も長期にわたり政治・経済の在り方に影響を及ぼすだろう。90年前の大恐慌が今もアメリカ政治に影を落としているのと同じだ。

この30年で、現実はコールの約束と正反対になった。たいていの人の暮らしは以前よりも厳しい。30年来の改革はまだ道半ばだ。

©Project Syndicate

<2019年11月19日号掲載>

【参考記事】東欧革命から30年──「自由かパンか」で歴史は動く
【参考記事】あれから30年後のベルリンの壁

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