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韓国経済の先行きに不透明感が高まっている3つの理由

2019年2月21日(木)11時25分
真壁昭夫(法政大学大学院教授) ※時事通信社発行の電子書籍「e-World Premium」より転載

Jung Yeon-je/Pool via REUTERS

世界経済の減速懸念もあり、韓国経済の先行きについて不透明感が高まっている。特に、近年の経済成長を支えたスマホ関連の半導体の輸出が急減している。韓国経済の大黒柱ともいうべきサムスン電子の半導体事業の悪化のマグニチュードは大きい。半導体輸出という経済の土台がもろさを増すにつれ、韓国経済の成長率は一段と低下する恐れがある。

それに加えて、文在寅政権の支持率が低下しており、政治面での不安も懸念される。大統領就任後、文氏は最低賃金引き上げ(所得の再分配機能の発揮)を重視し、有権者に寄り添う姿勢を示した。また、財閥企業の経営にメスを入れるなど、表向きは改革を標榜した。当時、文氏の主張が支持されたのは、景気が持ち直していたことに加えて、改革への期待が高まったことがある。景気が良ければ、有権者の心理には改革を受け入れるゆとりができる。

ただその後、企業の反発に遭い、文政権は経済政策の目玉である賃上げ目標を撤回せざるを得なくなった。また、財閥依存型の経済運営が続いてきた韓国にとって、実際に財閥解体などに着手することは容易ではない。それは、経済成長率の低下に直結する。その上、景気減速が鮮明になっている。大統領就任直後の状況と対照的だ。外交面でも、韓国の孤立感が深まっている。文大統領がこの状況をどう乗り切るのか、先行きはかなり見通しづらい。

世界的な半導体市況の急減速

韓国の経済には二つの特徴がある。

まず、貿易への依存度が高い。世界銀行によると、2005年の韓国の貿易依存度(国内総生産〈GDP〉に占める輸出と輸入の割合)は70%程度だった。2011年に貿易依存度は110%まで上昇し、2017年は80%程度となっている。資源が乏しい韓国は、わが国などから資材や部品を仕入れ(輸入)、それを用いて半導体などを生産し、輸出することで成長を遂げた。輸出が増加すると、韓国経済の成長率は高まる。反対に、輸出が減少すると、景気には急ブレーキがかかる。

二つ目の特徴は、経済に占める財閥企業の存在感が圧倒的に大きいことだ。サムスン電子と現代自動車の売上高を合計すると、韓国GDPの20%程度に達する。韓国の景気は財閥企業の業績動向に大きく左右される。

韓国の輸出競争力は現在、半導体産業の動向と表裏一体の関係にある。2017年、韓国の輸出は約5700億ドルだった。うち、半導体の輸出が20%程度を占める。同年、韓国の半導体輸出は前年から50%超増加した。自動車やフラットパネルディスプレーの輸出伸び悩みを半導体が補い、輸出全体が増加した格好だ。その半導体の輸出をけん引したのが、サムスン電子だ。同社の営業利益の約75%が、半導体事業から得られている。

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