最新記事

スペイン

カタルーニャ州首相「中央政府に自治停止されれば正式に独立宣言」

2017年10月19日(木)08時30分

 10月18日、スペイン・カタルーニャ自治州の指導者は、中央政府が同州の自治停止手続きに踏み切れば、正式に独立を宣言する方針を、自身の所属する政党の会合で表明した。撮影(2017年 ロイター/Ivan Alvarado)

スペイン・カタルーニャ自治州のプチデモン首相は自身の所属する政党の会合で、中央政府が同州の自治停止手続きに踏み切れば、正式に独立を宣言する方針を表明した。州政府関係筋が18日明らかにした。

スペインのラホイ首相は、プチデモン氏が19日午前10時(日本時間午後5時)までに独立宣言を撤回しない場合、同州の自治を停止し、直接統治するとしている。

州政府関係筋は「プチデモン氏は自身の政党の会合で、中央政府が憲法155条を発動すれば独立宣言の一時停止を解除すると表明した」と語った。

ラホイ首相が19日に155条を発動した場合、カタルーニャ州政府の権限を事実上剥奪するまでに3─5日かかる。

州政府関係筋は「自治が停止された場合、われわれは直ちに行動する必要がある」と述べた。

カタルーニャ紙バンガルディアの報道によると、中央政府は同州の省庁を統括する当局者を独自に指名する計画で、プチデモン氏は名目上、現職にとどまるが、権限は失うという。

同紙はまた、プチデモン氏が独立を宣言し、共和国憲法の制定に当たる制憲議会選挙を実施することを検討していると伝えた。

ただ、カタルーニャ自治州外相は「現時点で選挙は検討されていない」と述べた。

スペインの企業登記によると、カタルーニャ独立の是非を問う住民投票が行われた10月1日以降、同州から本社登記を移転した企業は約700社に上る。

カタルーニャ経済にとって重要な観光業にも影響が及んでおり、業界団体は「今後数カ月間に一段の不安定化や対立悪化がみられれば、カタルーニャの観光業界は第4・四半期の収入が18億ユーロ押し下げられる可能性がある」との見方を示した。

[マドリード/バルセロナ 18日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米EV税控除、一部重要鉱物要件の導入2年延期

ワールド

S&P、トルコの格付け「B+」に引き上げ 政策の連

ビジネス

ドットチャート改善必要、市場との対話に不十分=シカ

ビジネス

NY連銀総裁、2%物価目標「極めて重要」 サマーズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前の適切な習慣」とは?

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中