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米大統領

トランプに「職務遂行能力なし」、歴代米大統領で初の発動へ?

2017年8月17日(木)17時28分
ジェイソン・ルミエール

修正第25条はこれまでに6回発動された。ウォーターゲート疑惑の渦中にあったリチャード・ニクソン政権下で3回、大腸の内視鏡検査を受けるためにロナルド・レーガンが1回、ジョージ・W・ブッシュが2回、この条項に基づいて一時的に権限を委譲した。だが第4節は一度も発動されたことがない。今のトランプのように現職の大統領の職務遂行能力が真剣に疑問視されたことも一度もない。

シャーロッツビルでの衝突に対するツイートや北朝鮮との核戦争を誘発しかねないツイートなど、「大統領の常規を逸した発言は日に日にエスカレートしている」と、スペアーはNBCに語った。「大統領が愚か極まりないツイートをしたために、米兵が北朝鮮との戦争に駆り出されるようなことにもなりかねない」

共和党と閣僚はまだトランプ側

ただし、修正第25条でトランプ降ろしを図る場合も、弾劾と同じ障壁がある。トランプは当然、不服を申し立てるだろうから、共和党が多数を占める上下院で3分の2の支持を取り付けねばならない。

トランプのトンデモ発言には、ポール・ライアン下院議長をはじめ、マルコ・ルビオ、リンゼー・グラハム上院議員らが不快感をあらわにしているものの、トランプの大統領としての資質を正面から問う声は共和党内からは上がっていない。

しかも、トランプ政権の閣僚たちがクーデターを起こしそうな気配は今のところ皆無だ。トランプの「双方に非あり」発言を受けて、ホワイトハウスが共和党議員らに送ったメモの始まりはこうだ。

「大統領は完全に正しい」

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