最新記事

アメリカ経済

アメリカ旅行業界逆風に直面へ トランプの入国制限令やドル高で

2017年3月12日(日)15時31分

3月10日、米旅行業界は観光客減に直面する1年となりそうだ。写真はニューヨークで2015年5月撮影(2017年 ロイター/Carlo Allegri)

米旅行業界にとり、2017年はドル高やトランプ大統領の入国制限をめぐる不透明感に伴う観光客減に直面する1年となりそうだ。

米国を拠点に世界でホテルチェーンを展開するベストウエスタンのデイビッド・コン最高経営責任者(CEO)は当地で開催された観光見本市(ITB)で、トランプ大統領が今週署名したイスラム圏6カ国からの入国を制限する新たな大統領令について、米国が外国人を歓迎してないというシグナルを発することになりかねないとし、業界全体に「巻き添え被害」が広がる可能性があるとの認識を示した。

入国制限に加え、ドルは過去半年間ユーロに対し5%超上昇し、米国を訪れる外国人観光客への足かせとなっている。

ニューヨーク市は今年の外国人観光客数が前年から横ばいの1270万人となることを見込むが、従来予想から30万に下方修正している。

世界ビジネス旅行協会(GBTA)も、ホテル・航空業界の主要収入源である出張・社用旅行が大統領の入国制限の悪影響にさらされることを見込んでいる。

入国制限を踏まえ、自社が出張などのビジネス旅行を減らすことを見込む向きは米業界関係者の間で37%。同時に、欧州では17%が、自社が米国行きのビジネス旅行をすでに中止したと回答している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ南部オデーサに無人機攻撃、2人死亡・15

ビジネス

見通し実現なら利上げ、不確実性高く2%実現の確度で

ワールド

米下院、カリフォルニア州の環境規制承認取り消し法案

ワールド

韓国大統領代行が辞任、大統領選出馬の見通し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中