最新記事

教育

自民特命チーム、教育無償化に教育国債有力視 5-10兆円案も

2017年3月14日(火)14時38分


財源に教育国債など4案

財源確保の方法について、馳・前文部科学相は「教育に使途を限定した教育国債、税制改正、消費税率10%を含めた一段の税率引き上げ、所得に応じて公的な保険料を徴収する新制度の『こども保険』創設など、4つの案に集約されつつある」としている。

ただ、同チームの1人は「色々な案をたたき台として議論するが、結局は現実的に教育国債しかないとの意見が大勢となっている」と明かす。

別の政府関係者は「未来に残る資産との位置づけであるから、教育国債は建設国債と同様に財政法4条に明記された4条国債として扱うことになる」との見解を示している。

さらに無利子非課税とする案や、購入額分を相続税と相殺できる設計にする案も出ている。

同チームでは、教育無償化が実現できれば、教育費負担不安の解消や少子化の克服につながるだけでなく、貧困対策にもなり、人口増やGDP拡大につながるとのビジョンを描いている。同時に将来の生活保護費や失業給付が抑制され、増大する社会保障関連費の削減効果も期待できるとしている。

その結果、民間試算を参考に、貧困層18万人が高等教育進学率を高めた場合、生涯所得の増加と税・社会保障純負担能力増加を合わせて4兆円程度の効果があると弾き出している。

PB黒字目標の柔軟化、求める声も

だが、財政再建の視点から財務省の反発は強い。麻生太郎財務相は「償還財源の当てはない。実質は親世代が税負担や教育費から逃げるため、子どもに借金を回すもの」(2月6日の衆院予算委員会)と否定的見解を示している。

また、安倍晋三首相は、教育支出拡大に賛成の意を表明しつつ「必要な財源を確保しつつ、実際に行っていくことが大切だ」(3月13日の参院予算委)と述べた。

こうした中で、ある政府関係者は、教育国債の導入時には「歳出枠の目安の堅持や2020年度プライマリーバランス(PB)黒字化目標を維持するのか、柔軟化するのかといった議論も必要になる」という見通しを示している。

(中川泉 編集:田巻一彦)

[東京 14日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

日経平均は5日ぶり反発、調整の一巡 政策期待も

ワールド

アブダビ投資会議出席者の身分証明書、700件超流出

ワールド

衆参本会議、高市氏を首相に選出 第2次内閣発足へ

ワールド

アングル:SNS規制に動く欧州諸国、ビッグテック擁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 2
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 3
    ポーランドが「核武装」に意欲、NATO諸国も米国の核の傘を信用できず
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 6
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 7
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 8
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 9
    極超音速ミサイルが通常戦力化する世界では、グリー…
  • 10
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 8
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中