最新記事

シリア

内戦下アレッポで住民200万人の水道網がストップ

2016年8月10日(水)17時00分
ルーシー・ウェストコット

 ユニセフはまた、アレッポの住民に衛生的な飲料水を届けるために緊急に水道網の復旧が必要だと訴えている。このままでは住民が「安全ではない水源に頼らざるを得なくなる」という。

「一刻も早く、技術者たちの安全を保障し、電力網と水道網が復旧できるようにすることを紛争当事者に要請する」と、ユニセフのシンガーは述べている。「それがアレッポ全域で安全な飲み水を供給する唯一の方法だ。電気や水道といった市民生活のインフラ施設は攻撃してはならない」

【参考記事】シリア軍の包囲網のなかで住民は霞を食べている?

 アレッポではこのところ、2011年にシリア内戦が勃発して以来、最悪とも言える医療施設への攻撃が続いている。アメリカのNGO「人権のための医師団」によれば、先月23日以降、6カ所の病院が空爆に遭い、多くの死者が出ている。小児病棟も攻撃されて乳児が4人死亡した。

 またシリア南西部の町マダヤでは、飢餓と栄養失調が広がって流産や自殺未遂が増加。子どもたちの間では発育不全や発疹が広がり始めている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イラン「核兵器を追求せず」、大統領が国連演説 制裁

ワールド

イスラエル軍、ガザ市中心部へ進撃 医療施設への影響

ビジネス

次期FRB議長に偏見ない人材を、一部候補者の強さに

ビジネス

米財務長官、航空機エンジンや化学品を対中協議の「て
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 2
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 3
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市場、売上を伸ばす老舗ブランドの戦略は?
  • 4
    【クイズ】ハーバード大学ではない...アメリカの「大…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 7
    映画界への恩返しに生きた、ロバート・レッドフォード…
  • 8
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 9
    村上春樹は「どの作品」から読むのが正解? 最初の1…
  • 10
    福音派の終末予言はまた空振った?――キリストが迎え…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 6
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 7
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 8
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 9
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 10
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 6
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中