最新記事

英王室

キャサリン妃は「セレブ」なのか?...アメリカ人が理解できない「王室」の意味

2024年04月07日(日)09時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
キャサリン妃

BBC Studios/Handout via REUTERS

<イギリスではセレブのように振る舞うことを批判され、アメリカではセレブのように振る舞うことを期待されるロイヤルファミリーと過熱報道について>

1月に腹部手術を受けて休養を発表したキャサリン妃について3月に入ってから、健康状態や居場所、そして一家の生活についてさまざまな憶測と陰謀論、そして批判が飛び交った。

これらの報道に対して、キャサリン妃はセレブではなく、王族らしく振る舞うことが期待されているとイギリスの司会者シャロン・オズボーンは指摘。

【関連画像】批判もあるキャサリン妃の「レッドカーペットの瞬間」9選 を見る


さらにヨーロッパとアメリカの間で王室に対する見方が異なることにも原因があるとして、自身のポッドキャスト番組「The Osbournes Podcast」で次のように述べた。

「アメリカでは、セレブと「殿下・妃殿下(HRH )」の違いがよく理解されていません。彼らはセレブではありません。アメリカではその歴史も王室も理解されていないのです」

アメリカでは、キャサリン妃とウィリアム皇太子はヘンリー王子とメーガン妃のようにセレブの役割を担うことが期待されているとして、次のようにも言及した。

「王族は自国のために働いています。それが彼らの仕事です。毎週レッドカーペットの上を歩いたり、ハリウッドの有名人と一緒に写真に映るような二流セレブとは違います。そういう世界ではなく、自国に奉仕する世界にいるのです」

王室とセレブの関係はイギリスでも長年議論されており、セレブと交流したり、セレブのような振る舞いをする王室メンバーは時に批判されてきた。

王室廃止を提唱する組織「リパブリック(Republic)」代表のグレアム・スミスも王室は「セレブ文化の一部になった」と批判している。

かつてダイアナ妃もハリウッドの有名人と交流していることに批判を受け、近年ではヘンリー王子とメーガン妃夫妻もNetflixでドキュメンタリーの制作契約を結んだり、自叙伝『スペア』で王室を批判したり内情を暴露するなど、そのセレブのような振る舞いへの批判を受けている。

ケンジントン宮殿は、キャサリン妃は「公的な役割を持つ私人」であり「セレブ」ではないとして、過熱する報道に対して苦言を呈している。

先のオズボーンはキャサリン妃が3月22日にがんを公表するまでの報道に対して、次のようにも批判している。

「世界中のメディアとセレブたちは今回、バカげたことに参加しました。(略)でも、ちょっと待ってください。いつからキャサリン妃とウィリアム皇太子にそもそも興味を持ち始めたのですか?」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

維新、連立視野に自民と政策協議へ まとまれば高市氏

ワールド

ゼレンスキー氏、オデーサの新市長任命 前市長は国籍

ワールド

ミャンマー総選挙、全国一律実施は困難=軍政トップ

ビジネス

ispace、公募新株式の発行価格468円
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「恐ろしい」...キャサリン妃のウェディングドレスに…

  • 3

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 4

    【独占】「難しいけれど、スローダウンする」...カナ…

  • 5

    やはり「泣かせた」のはキャサリン妃でなく、メーガ…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「恐ろしい」...キャサリン妃のウェディングドレスに…

  • 3

    やはり「泣かせた」のはキャサリン妃でなく、メーガ…

  • 4

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 5

    ハン・ガンのノーベル文学賞受賞はなぜ革新的なのか?…

  • 1

    やはり「泣かせた」のはキャサリン妃でなく、メーガ…

  • 2

    完全コピーされた、キャサリン妃の「かなり挑発的な…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 5

    「結婚に反対」だった?...カミラ夫人とエリザベス女…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:日本人と参政党

特集:日本人と参政党

2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る