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キュンキュン必至のロマコメ決定版だが、「ロマコメの女王」ではない!

She’s Not a Rom-Com Queen

2023年03月08日(水)19時03分
ヘザー・シュウィドル(スレート誌記者)

いや、彼女のロマコメが駄作ばかりとは言うまい。少なくとも2002年の『メラニーは行く!』はよかった。でも期待を裏切られることのほうが多かったのは事実。

例えば10年の『幸せの始まりは』。2人の男の板挟みになる役だったが、彼女はどちらの男を愛しているようにも見えなかった。

最低だったのは17年の『ホーム・アゲイン』。彼女は40歳で、自宅に20代の男3人を住まわせ、そのうちの1人と恋に落ちるという設定なのだが、全然ロマンチックではないし、コミカルでもなかった。

似合うのは「カレン」

何が間違っているのか。たぶん「女性向けの娯楽作品=ロマコメ」という思い込みが間違いだ。そしてウィザースプーンには前者が似合うが、後者は苦しい。

この10年で彼女の最大のヒット作と言えばテレビドラマの『ビッグ・リトル・ライズ』と映画の『わたしに会うまでの1600キロ』(14年)だが、どちらもロマンス要素なしの作品だった。

ゴールデングローブ賞にノミネートされた『キューティ・ブロンド』(01年)も、ほぼロマンスなしの純コメディー。そしてこの3作では、彼女と並び立つ主役級の男はいなかったし、いる必要もなかった。

もちろん、彼女がアカデミー主演女優賞を射止めた『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』(05年)で演じたのは、著名歌手ジョニー・キャッシュの復活を支えた強くて忠実な妻の役。あれは完璧にロマンチックで、泣けるドラマだった──が、コメディーではなかった。

つまり彼女には、ロマコメの定番ヒロイン(不運にめげず恋に身を焦がす女)は似合わない。もっと複雑でシリアスで、自己主張も上昇志向もある女性(例えば『キューティ・ブロンド』のエル・ウッズ)を演じてこそ輝く。

ところが今度の『ユアプレイス』で彼女が演じたデビーは、自分はニューヨークになじめない田舎者と思ってしまう小心な母親。どう見てもウィザースプーンには似合わない。むしろ、彼女に似合うのはカレン(自己主張が強くて高慢な白人中年女性の代名詞)だろう。

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