最新記事

イギリス

ロトで高額当選したシングルマザーが唯一欲しいと願っていたもの

2019年08月07日(水)17時10分
寺町幸枝

宝くじの波及効果

ガーディアンの記事によれば、1994年に英国で作られたジャック・ポットは、2012年までに3000人のミリオネア(億万長者)を創出し、85億ポンド(約1.1兆円)以上を放出してきた。各当選者に渡った金額の平均は、280万ポンド(約3.6億円)で、調査会社のオックスフォード・エコノミクスは、そのうち59%がすぐさま仕事を辞める一方で、19%は働き続け、31%がボランティアなど収入のない仕事に従事しているという。

イギリス経済にとっての朗報は、98%の人が英国内で当選金を消費していること。使途は不動産や車などを購入したり、旅行など。試算すると、各当選者の使うお金のおかげで、6人の労働者がフルタイムの雇用を保持できていることになる。

さらに当選者のGDPへの貢献は、7.5億ポンド(約970億円)にのぼり、手に入れた資金を元手に投資に回す金額は、21億2500万ポンド(約2750億円)に到達する。平均して2.7戸の不動産を所有し、約82%というほとんどの当選者が、住居を変えたという報告がある。

また、宝くじの当選を機会に、15%の人が事業を始めたり、15%がビジネスへ何らかの資金提供を行ったりしているうえ、当選者が関わったビジネスによって、3000人以上の雇用を生み出されている。

このレポートを執筆したアナリストの1人であるアンディー・ローガンさんは、「宝くじの当選者による経済効果は、非常に広範囲に、さらに深い影響を英国社会に与えている」と話す。友人や家族と言った小さなグループの中だけでなく、英国経済そのものへもインパクトを与えているのだ。さらにこの(経済的)波及効果は世代を超え、多くの場合、次の世代へも引き継がれていることが分かっているという。

今年1月、英国宝くじ史上最高額の1億1490万ポンド(149億円)が当たった北アイルランド在住のコノリー夫婦。最初にしたことは「当選したお金を、分け与えたい人たち50人を二人でリストアップした」というほどの良心的なカップルだ。これまで製造業に従事してきたコノリーさんは、早々と仕事をリタイヤする予定で、新しい車を買い、家を買い、そして夫婦でモルジブへ旅に出ることを計画中だという。


2019081320issue_cover200.jpg
※8月13&20日号(8月6日発売)は、「パックンのお笑い国際情勢入門」特集。お笑い芸人の政治的発言が問題視される日本。なぜダメなのか、不健全じゃないのか。ハーバード大卒のお笑い芸人、パックンがお笑い文化をマジメに研究! 日本人が知らなかった政治の見方をお届けします。目からウロコ、鼻からミルクの「危険人物図鑑」や、在日外国人4人による「世界のお笑い研究」座談会も。どうぞお楽しみください。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドルが対円で急落、一時約1%安の15

ワールド

独首相、トランプ氏「平和評議会」に慎重姿勢 構造に

ビジネス

米総合PMI、1月は52.8と横ばい コスト上昇巡

ビジネス

銀100ドル突破、地政学的混乱で逃避買い 金500
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    シャーロット王女が放つ「ただならぬオーラ」にルイ…

  • 3

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 4

    世界一スキャンダラスな絵画、謎に包まれた「女性器…

  • 5

    「鶏肉を洗わないで」米農務省が警告 その理由は?

  • 1

    シャーロット王女が放つ「ただならぬオーラ」にルイ…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    「本当の自分」を見てほしいのに、そうはいかない美…

  • 4

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 5

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    シャーロット王女が放つ「ただならぬオーラ」にルイ…

  • 3

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 4

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 5

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:「外国人問題」徹底研究

特集:「外国人問題」徹底研究

2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論