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フランスの小学校で15頭の羊が「入学」 学級削減危機の救世主か

2019年05月09日(木)16時35分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

写真はイメージ suriya silsaksom-iStock

<児童の数だけでクラスを削減したら教育は守れない! 保護者が声を上げて実現したユニークな抗議で、羊の新入生が誕生>

生徒数の減少による学校の統廃合は日本においても進行している問題だが、フランスでは学級削減を回避すべく斬新な行動に出た学校がある。

インディペンデント電子版によると、アルプス山脈のクレッツ・アン・ベルドンという人口4000人に達しない町にあるジュール・フェリー小学校で、減少する生徒数を補おうと羊が「正式に」登録されたという。同小学校に通う生徒が266人だったのが261人に減り、11のクラスから1つ閉鎖されるとされていた。学級数を維持してほしいという保護者たちが抗議として踏み切ったのが、羊たちの「入学」だ。

【参考記事】ヒツジ、オバマやエマ・ワトソンを識別する

出生証明書を携え入学

5月7日(現地時間)の朝、地元の牧畜農家のミシェル・ジラールと彼の牧羊犬に連れられ小学校に到着した約50頭の羊たち。このなかから選ばれた15頭に出生証明書が出され、学校の児童として「正式に」登録された。新入生の名前は、ドリー、ショーンなど(BBC欧州)。

入学式は200人もの人々が駆けつけ、羊の新入生たちは暖かく迎えられた。


ある保護者は「今は学級を減らすべきではない」と考えている。現行の教育システムは現場を考慮したものではないと訴える。保護者主体で進められたこの動きだが、ジャン・ルイ・マレ町長も支持し、羊の新入生を認めている。

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