最新記事

スイス

「無印良品」のスイス初出店に見る、日本ブランドの可能性

2019年04月08日(月)17時00分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

1つはオンラインショッピングが増えていること、もう1つは、物価高のスイスよりドイツなどの周辺国で買い物をするとお得になることから、わざわざ国境を越えて買い物する「ショッピング観光」がブームになっていることだ。

ここへ挑むMUJIは、消費者をどこまで惹きつけられるだろうか。スイスの経済界はそんなふうに静観しているに違いない。

求む!日本カルチャー、環境に優しい品質も高評価

スイス最大の週刊経済紙ハンデルスツァイトゥングによれば、MUJI側はスイスにはまったく関心がなかったという。それがオープンにまでこぎつけたのは、グラットのラゲット・クラヴァデチャー代表取締役の手腕であり尽力の結果だ。氏は自ら日本を訪れ交渉したそうだ。

委細については述べていないが、「スイスに進出するためのよい方法を提示して説得しました」とのこと。相当に慎重に話し合いを進めてMUJIをつかまえたのだろう。

クラヴァデチャー氏がどうしてもMUJIを射止めたかった理由は、日本のブランドで、ほかのブランドとの違いを際立たせたかったためだと話している。スイスのチェーン店も他国のチェーン店も確かに個性を出して競っているが、全体的に見れば結局は似たり寄ったりのデザインだ。ここに日本発のMUJIが入れば紅一点になる。シンプルでユニバーサルなMUJIのデザインは、よくありそうで実はそれほど見当たらない。だからこそ注目を集め、利益も期待できると青写真を描いた。

s-muji-03.jpg
価格は、もちろんスイスフランを意味するCHFで表示 Photo:Satomi Iwasawa

s-muji-bag.jpg
Photo:Satomi Iwasawa

また、MUJIがオーガニックや省エネルギーに力を注いでいる点もポイントだと語る。スイスはオーガニック品を好む人もとても多いから、確かに非常にいいセールスポイントになる。

オープニングセレモニーには、ヨーロッパのMUJIを統括するロンドンのMUJI EUROPE HOLDINGS LIMITEDマネージャーも駆け付けた。「まずは、ポップアップショップでMUJIをより多くの方たちに知っていただきたいです。スイスは価格ではなく、質の良さで買い物をする人たちが多いですね。10月からの旗艦店が軌道に乗れば2号店以降も視野に入れています」とコメントをもらった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米耐久財コア受注、2月は0.6%増 前月分は大幅下

ワールド

イラン、サウジ・ジュベイルの石化コンビナート攻撃 

ワールド

トランプ氏、イランに「文明消滅」警告 改めて期限内

ワールド

トルコのイスラエル総領事館前で銃撃戦、 犯人1人死
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    24歳年上の富豪と結婚してメラニアが得たものと失っ…

  • 3

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 4

    「自由すぎる王族」レディ・アメリア・ウィンザーが「…

  • 5

    エリザベス女王が「リリベット」に悲しみ、人生で最…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    24歳年上の富豪と結婚してメラニアが得たものと失っ…

  • 3

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 4

    タブーを覆した65歳 「真の自由な女性」ブリジット…

  • 5

    エリザベス女王が「リリベット」に悲しみ、人生で最…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    24歳年上の富豪と結婚してメラニアが得たものと失っ…

  • 3

    「自由すぎる王族」レディ・アメリア・ウィンザーが「…

  • 4

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 5

    セレブたちがハロウィンに見せた本気コスプレ、誰が…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:トランプの大誤算

特集:トランプの大誤算

2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない