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7年間かけて100万ユーロを金持ちの口座から引き出したイタリアの銀行員

2018年10月11日(木)15時30分
田中美貴(イタリア在住ライター)

職も家も失ったが、バスキエラは自身を正当化し、後悔はしていないそうである。イル・ジョルナーレ紙等のメディアは彼を「現代のロビン・フッド銀行員」と表現している。しかし、ロビン・フッドは映画のラストシーンで鮮やかに去っていくのに比べ、現代の実話版では、当然のことながらそうはいかなかった。

盗まれた人も気づかず?

それにしても、口座からお金を引き出されていた高額預金者たちの中に、おかしいと思った人はいなかったのだろうか? そこは不思議に思うところだろう。

だが、イタリアでは必要以上に公共料金が請求されていたり、解約したはずのサービスの利用料が延々と引き落とされていたりすることが日常茶飯事で、よほど自分で気を付けていないと不当に損をする羽目になることが多々ある。それを思うと、もし口座からの引き出しが少額ずつだったならば、気づかないこともあり得ると個人的には考える。

この事件、7年間も発覚しなかったというのが、イタリアならではの話なのかしれない。

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