最新記事

英王室

キャサリンVSメーガン! 英王室に勃発したファッションバトルを考察してみた

2018年07月17日(火)16時55分
有元えり

着たい服を着るフリースピリットを持つメーガン妃

対するメーガン妃はというと、ジバンシィのウエディングドレスに始まり(デザインしたジバンシィの現アーティスティックディレクター、クレア・ワイト・ケラーは英国人ではあるが...)、ディオール、プラダなど、錚々たる海外メゾンを片っ端から試している感がある。

デコルテを露わにしていようが、ノースリーブだろうがお構いなし。着たい服を着たいように着る。モットーであるフリースピリットが、ファッションのセレクトにも表れているかのようだ。見ていて潔いほど、自分に似合うものを割り切って着ているメーガン妃に対し、世間からは冷たい目もある。

「新しい王室像を打ち立てる」と宣言したハリー王子夫妻だから、ファッション改革もひとつの狙いなのだろう。

とはいえ、メーガン妃にとっては、ファッションがメッセージを伝えるツールになっていることも明らかになった。

7月10日(現地時間)、アイルランドのダブリンを訪れたハリー王子とメーガン妃は、英国大使館で催されたサマーパーティに出席したが、その際にメーガン妃は、エミリア・ウィックステッドによるリトルブラックドレスを着て現れた。

エミリア・ウィックステッドと言えば、メーガン妃が結婚式で着用したジバンシィのウエディングドレスについて、自身のデザインとの類似を指摘していたデザイナーだ。後に結婚式でのメーガン妃のことを「美しい」と褒め称えたものの、わだかまりがくすぶっていただろうことは想像に難くない。

meghanRT20170717.jpg

エミリア・ウィックステッドがデザインしたノースリーブドレス姿のメーガン妃 POOL New-REUTERS

そんな一悶着あったデザイナーのドレスを、あえて選ぶあたりは、メーガン妃のメッセージと読み解くことができるだろう。

ダイアナ妃のファッションルールが2人の妃に受け継がれて

一見、真逆にベクトルをとるように見えるキャサリン妃とメーガン妃だが、実際のところは2人とも義母ダイアナ妃の影響を色濃く受けている。

ダイアナ妃は婚約以降、一貫して英国人デザイナーによるファッションで装うようにしていた。新進の英国人デザイナーのものも進んで起用し、自らが広告塔になって国内外に英国ファッションをアピール。その結果、キャサリン・ウォーカーやビクター・エーデルスタインといった英国人デザイナーの名を世界に知らしめることになった。

英国ファッションの風雲児だったジョン・ガリアーノのディオールのチーフデザイナー就任の折には、いち早くその服を身に纏うなど、世間の流行にも敏感だった。

チャールズ皇太子との離婚後は、それこそ英国人デザイナーに囚われることなく、シャネルやヴェルサーチなど世界中の一流メゾンのファッションを自由に謳歌。それもミニスカートも肩出しも厭わずに、だ。現在メーガン妃のちょっとした露出なんて、些細なことに思われるくらいに。

2人の妃は、そんな母妃のスタイルをそれぞれが忠実に守っているにほかならないようである。今後のキャサリン妃とメーガン妃も、ダイアナ妃と同様に、私たちを魅了し続けてくれるはずだ。

ニューズウィーク日本版 大森元貴「言葉の力」
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月15日号(7月8日発売)は「大森元貴『言葉の力』」特集。[ロングインタビュー]時代を映すアーティスト・大森元貴/[特別寄稿]羽生結弦がつづる「私はこの歌に救われた」


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米「夏のブラックフライデー」、オンライン売上高が3

ワールド

オーストラリア、いかなる紛争にも事前に軍派遣の約束

ワールド

イラン外相、IAEAとの協力に前向き 査察には慎重

ワールド

金総書記がロシア外相と会談、ウクライナ紛争巡り全面
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    キャサリン妃の「目が泳ぐ」...ジル・バイデン大統領…

  • 2

    「ハイヒールを履いた独裁者」メーガン妃による新た…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 5

    メーガン妃との「最も難しかったこと」...キャサリン…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 3

    加工した自撮り写真のように整形したい......インス…

  • 4

    カーダシアンの顔になるため整形代60万ドル...後悔し…

  • 5

    キャサリン妃の顔に憧れ? メーガン妃のイメチェンに…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 3

    加工した自撮り写真のように整形したい......インス…

  • 4

    なぜメーガン妃の靴は「ぶかぶか」なのか?...理由は…

  • 5

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:大森元貴「言葉の力」

特集:大森元貴「言葉の力」

2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る