最新記事
ロシア市場

ロシア株急上昇、トランプ政権に制裁緩和の動きで米ロ関係に歴史的変化

Russian Markets Surge Amid Reports Trump Set To Ease Sanctions

2025年3月5日(水)18時34分
マヤ・メーララ
ドル紙幣とルーブル紙幣

ルーブルも蘇った!?(イラスト中央) Artem Priakhin / SOPA Images

<カネは侵略者を差別しない。地政学的変化を材料に、投資家はロシア株とルーブルを買い漁っている>

ロシアの株式市場は3月4日、ドナルド・トランプ米大統領が対ロシア制裁の緩和計画を進めているとの報道を受けて急騰した。オンライン市場調査会社のトレーディング・エコノミクス社が伝えた。

トランプがロシアとウクライナの戦争終結に向けた交渉を進める中で、米ロ関係の歴史的転換が起きている。アメリカの制裁が部分的にでも解除されれば、ロシアの経済状況は大きく改善するとみられる。

ロシアがウクライナに本格侵攻した2022年以降、西側諸国は制裁を強化し、ロシアの最も収益性の高い産業の一つであるエネルギー部門を標的としてきた。ロシアは軍事支出の増大、インフレ、労働力不足といった経済問題にも直面している。

米政府がロシア企業や個人に対する制裁緩和を検討しているとの報道を受け、ロシアの株式市場は前日から上昇。米露関係の修復と戦争終結への期待が背景にある。

モスクワ証券取引所(MOEX)は前日比3%以上上昇。MOEXは2024年12月末に底を打ち、過去1カ月で10%上昇している。

トランプ政権は、米国務省と財務省に対し、ロシア政府との交渉で制裁緩和の対象となり得るリストの作成を指示したとの報道もある。一部の個人や企業に対する制裁解除の具体案も準備が進められているようだ。

編集部よりお知らせ
ニュースの「その先」を、あなたに...ニューズウィーク日本版、noteで定期購読を開始
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

東証がグロース市場の上場維持基準見直し、5年以内に

ビジネス

ニデック、有価証券報告書を提出 監査意見は不表明

ビジネス

セブン銀と伊藤忠が資本業務提携 ファミマにATM設

ワールド

トランプ氏、日韓の対米投資「前払い」 見解の相違と
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性を襲った突然の不調、抹茶に含まれる「危険な成分」とは?
  • 2
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Appleはなぜ「未来の素材」の使用をやめたのか?
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 5
    クールジャパン戦略は破綻したのか
  • 6
    中国、ネット上の「敗北主義」を排除へ ――全国キャン…
  • 7
    【クイズ】ハーバード大学ではない...アメリカの「大…
  • 8
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 9
    琥珀に閉じ込められた「昆虫の化石」を大量発見...1…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 7
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 8
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 10
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中