NFLはなぜバッド・バニーを選んだのか――ビジネス的には正しいのに「ひどい人選」と叩かれる理由
The Sound and the Fury

しかしSNS時代では情報は瞬時に拡散し、選手と政治家、そして観客の距離は縮まっている。その結果、昔なら業界ネタにすぎなかったことが全国的な話題になってしまう。
レフセッツに言わせれば、アーティストが政治化したのではなく、文化そのものが政治化してしまった。だから楽曲やパフォーマンスよりも、出演するかしないかが話題になってしまうのだ。
ラジオ業界の大御所で、元ユニバーサル・ミュージックのコロンビア・ペルー・エクアドル・ベネズエラ地域担当だったアレハンドロ・マリンは「娯楽が政治化したのではない」と言い切る。「政治そのものが娯楽になった。それだけのことだ」
こうなると、興行的には順当な人選(今年で言えばバッド・バニーの起用)でも、容易に政治的な対立のシンボルとなってしまう。
ビジネス的には大正解
「キャパニック」以後、視聴者のデータに基づいた純粋にビジネス上の決定も政治と無縁ではいられない。誰がハーフタイムに歌うか、どの会社がどの枠にCMを出すかも、アメリカ社会を分断する文化戦争のフィルターを通さずには決められない。
しかし今年の決定は、少なくともビジネス的には正しかった。バッド・バニーのファン層は若いラテン系で、しかも世界に広がる。まさにアメフトの統括団体NFLが求めているターゲットだ。





