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ポケモンからハリポタへ 物語を現実世界へ「招喚」するAR

2019年8月2日(金)21時00分
杉本あずみ(映画配給コーディネーター)

物語へ没入する時代から、物語を現実に招喚する時代へ

『ハリー・ポッター:魔法同盟』は、配信初日から6日間で470万ダウンロードされている。大人気だった『Pokémon GO』の6日間集計3200万ダウンロードに比べると、その人気までには及ばなかったものの、実写映画とARゲームの融合を実現させることに成功した。『Pokémon GO』の登場は世界中に衝撃を与えたが、今回のハリー・ポッターがそれに届かなかったとしても、それに臆すことなく今後の映画界のAR進出は続けていって欲しい。

また今回、人気映画とARゲームのコラボが登場したことで、世界を視野に入れた日本映画の可能性も期待したいところだ。平均製作費がハリウッドの20分の1といわれる日本の映画界。世界が市場のハリウッドに対し、国内中心の日本映画では、当然バジェットを抑えるしかなかった。しかし、今後ゲームに強い日本が、映画のコンテンツと一緒にタッグを組みゲームと共に世界市場に乗り出せば、それ相応の製作費をかけたメガヒット作品を生み出すことができるかもしれない。

時代は今、見慣れた自分の街に映画の主人公やゲームのキャラクターを取り込む方向へ向かっている。自分が物語の世界に入り込む時代は終わり、自分たちの世界に物語を連れてくる時代になったのだ。



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