ニュースでよく聞く「レアアース」って何? 中国の輸出規制で世界がパニックになる理由とは
中国によるレアアース輸出管理が続けば、GDPが押し下げられる
中国によるレアアース輸出管理規制強化によって、身近な生活に直接的な影響が出るとは考えにくい。
しかし、日本経済への影響は決して小さくない。みずほリサーチ&テクノロジーズは、2010年に発生した尖閣諸島沖での漁船衝突事件を受け、レアアース対中輸入が事実上ほぼ停止状態となった際、日本のGDPが0.25%程度押し下げられた可能性があると指摘。
それを踏まえて、今後、中国からレアアースが輸入できなくなる状況が1年続いた場合、GDPは0.9%ほど押し下げられると試算している。
同社は「(日中関係の)緊張状態が長期化するシナリオも念頭においておく必要がある」と日本企業に呼び掛けている。
このような状況下で、アメリカやオーストラリアでも重希土類の採掘プロジェクトが進んでいるほか、日本政府や日本企業も供給源多角化のための取り組みを行っている。
例えば、JOGMECと双日株式会社は、共同で設立した日豪レアアース株式会社を通じ、2023年にライナス・レアアースズ・リミテッドへの総額2億豪ドル相当の追加出資を決定した。計画には、中・重希土の分離生産も含まれている。
さらに、JOGMECと岩谷産業は、レアアース(主に重希土類)精錬事業を行うフランス企業、カマレグ社へ最大1億1000万ユーロを出融資することを決定。同社が生産する重希土類の50%を長期供給する契約を締結した。
他にも、レアアースを使用しない「レアアースフリー」製品の開発も行われているなど、依存からの脱却のために、さまざまな分野で依存脱却に向けた取り組みが行われているという。
原田氏は、IEAのデータに触れつつ、「将来的にレアアースの需要は右肩上がりになっている」と指摘する。
レアアースは「産業のビタミン」と言われ、今や多くの産業にとって必要不可欠なものとなりつつある。今後、その重要性が大きく下がることは考えられそうにない。





