ニュースでよく聞く「レアアース」って何? 中国の輸出規制で世界がパニックになる理由とは
中国に遍在するレアアース
レアアースは複数の元素が同一の鉱石に含まれ、産出地や生産可能な拠点が特定の地域に偏在している。
特に中国への偏在が顕著だ。USGSのデータによると、レアアースの国別埋蔵量では中国が世界全体の48.9%、採掘生産の69.2%、精錬に至っては91%を占めている。
埋蔵量はもちろん、生産や精錬がここまで中国に偏る理由について、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の金属企画部調査課に所属する原田武課長は「レアアースの市場は決して大きくない」としたうえで、「世界中でレアアースの鉱床は多数確認されている。ただし、開発しても採算が取れるような鉱床は限定的だ。利益が見込めない限り、簡単に開発に踏み切れない」と指摘した。
「中国は巨大なEV市場を抱えており、レアアースの需要も大きい。そのため、レアアース関連のサプライチェーンが発達している」
それゆえ、中国がレアアースのサプライチェーンに持つ影響力は絶大だ。中国もそれを理解しており、事あるごとにレアアースの輸出規制強化をちらつかせている。
2025年4月にトランプ米大統領の関税措置に応えるような形で7種の中・重希土類(サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)、ルテチウム、スカンジウム、イットリウム)の輸出管理措置を打ち出したほか、高市早苗首相の台湾有事発言への報復として2026年1月にデュアルユース品(軍民両用品)の対日輸出管理を厳格化する(輸出管理リストにレアアースも含まれる)など、レアアースを外交カードとして振り回し続けている。
レアアースは各種産業に欠かせないものなので、外交交渉で各国が中国に対して強く出ることが難しくなっているのが現状だ。





