最新記事

韓国経済

韓国政府、資本規制を一時的に緩和 ドル流動性確保へ

2020年3月25日(水)10時00分

韓国政府は国内金融機関に一段のドル供給拡大を促すため、主要な資本規制をさらに緩和する方針を示した。写真は2013年1月、ソウルで撮影(2020年 ロイター/Lee Jae-Won)

韓国政府は25日、国内金融機関に一段のドル供給拡大を促すため、主要な資本規制をさらに緩和する方針を示した。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に世界の市場で動揺が続いていることが背景。

洪楠基(ホン・ナムギ)企画財政相が政策会議で述べた内容を記した書面によると、政府は銀行の外貨流動性カバレッジ比率(LCR、ストレス時の流動性需要に対応するための基準)を一時的に緩和し、外貨借り入れに対する課税を免除する計画。

外貨LCRは、30日以内にキャッシュに変換できる質の高い資産の保有を銀行に義務付けるもので、現行の比率は80%。

新たな比率は設定されなかった。

同相は「政府は、企業や銀行がドル資金不足に陥らないよう、国内のドル流動性の状況を日々調査し、適宜、ドルを供給するためのさまざまな手段を整える」と語った。

韓国はここ数日にさまざまな市場支援策を打ち出している。24日には、新型ウイルス対策の規模を100兆ウォン(800億米ドル)に倍増させることを決め、新型ウイルス感染拡大により影響を受けた企業を支援し、株式・債券市場の下落に対応するとした。

韓国は、米連邦準備理事会(FRB)が新たに通貨スワップ協定を結んだ9カ国の1国でもある。

また18日には外国為替取引に関する規則を緩和し、銀行に国内市場へのドル供給拡大を促す方針を示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・アメリカ、新型コロナウイルス感染3.3万人・死者400人に倍増 全米の半分近くが外出禁止に
・新型コロナウイルスは恐れを知らない若者にも感染し、重症化する
・日本で新型コロナの死亡率が低いのは、なぜなのか?


20200331issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月31日号(3月24日発売)は「0歳からの教育 みんなで子育て」特集。赤ちゃんの心と体を育てる祖父母の育児参加/日韓中「孫育て」比較/おすすめの絵本とおもちゃ......。「『コロナ経済危機』に備えよ」など新型コロナウイルス関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベトナム、模倣品・海賊版対策を強化 米国からの関税

ビジネス

日経平均は3万8000円回復、米中摩擦懸念後退 買

ビジネス

ソフトバンクG、1―3月期純利益5171億円 通期

ビジネス

ホンダ、EV供給体制の検討2年程度延期 北米市場向
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 3
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 4
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 5
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 6
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 9
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 10
    ハーネスがお尻に...ジップラインで思い出を残そうと…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 8
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中