最新記事

格差

強欲な富裕層に豪財務相がキレた

もてる資金力と政治力を総動員して金持ちほど税金を避けようとする構図がこの国にも

2012年4月13日(金)14時53分
フレヤ・ピーターセン

義憤 「0.01%の富裕層」に牙をむいたスワン財務相 Daniel Munoz-Reuters

 反格差の議論が世界中に広まるなか、オーストラリアのスワン副首相兼財務相は先日、雑誌への寄稿記事で同国の一部の大富豪を痛烈に批判した。

 オーストラリアでは7月から資源関連企業を対象とした新たな鉱物税が導入されるが、大物実業家たちは潤沢な資金力を活かして、精力的にロビー活動を展開。結局、選挙への影響を恐れた労働党政権は、この鉱物税に関する法律を骨抜きにした。

 これに激怒したスワンは、「社会の0.01%」でしかない富裕層の影響力は「わが国の政治に伝染し、経済に溶け出していく毒」だと批判。既得権益が「この国の平等性をむしばみ、民主主義を脅かしている」と厳しく非難した。

 これに対して保守派は、スワンが階級闘争をあおっていると反撃。さらに主な起業家たちは一斉にスワンを非難し、国は鉱業界などの投資家から恩恵を受けてきたはずだ、と主張した。

 だがスワンは、彼らが自分たちのビジネスを超えた政治の領域に対して「過度の権限を行使しようとしている」ことが問題だとあらためて主張。「慈善事業に多額の寄付をしている」という実業家の声も、「納税の代わりにはならない」と一蹴した。

(GlobalPost.com特約

[2012年3月21日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国SMIC、第4四半期は60.7%増益 予想上回

ビジネス

米関税、ユーロ圏物価を下押し 利下げで相殺可能=E

ビジネス

フランス産ワイン・蒸留酒輸出、貿易摩擦の影響で3年

ビジネス

韓国当局、個人情報流出のクーパンにシステムの脆弱性
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 8
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 9
    衆院選で吹き荒れた「サナエ旋風」を海外有識者たち…
  • 10
    「二度と見せるな」と大炎上...女性の「密着レギンス…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中