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トランプ弾劾が絡んで風雲急を告げる米中間選挙
特に、マティス国防長官が「大統領はシリアのアサドを暗殺しようとしたが、私は反対して止めさせた」とか「大統領の思考能力は小学校6年生、いや5年生レベルだ」などと発言したとか、ケリー首席補佐官は大統領のことを「バカ」といっていたなど、生々しいことが書かれているのです。ある側近は、ホワイトハウスのことを「クレージータウン」と称しているそうで、この「クレージータウン」というのは流行語になりそうです。
トランプ政権の暴露本といえば『炎と怒り』が有名ですが、こちらは主として政権をクビになったスティーブ・バノンの「放言」がネタ元で、著者は無名のライターだったわけです。ですが、今回の『恐怖』の場合は、著者は超大物でネタ元は膨大な人数による膨大な証言の蓄積ということで、インパクトは比べ物にならないと思われます。
大統領の「コアの支持者」については、このぐらいの「攻撃」ではビクともしないのかもしれませんが、中間層であるとか、共和党支持者の中でも穏健派の人々については、ここへ来て大統領への支持は下がってきていると見ていいでしょう。
では、共和党全体に動揺が見られるなかで、民主党が中道層や無党派層をまとめ切れるのかというと、そこにも不安要素があります。民主党陣営では、今回の中間選挙の候補者を選ぶ予備選を通じて「左シフト」とでも言うべき現象を起こしているからです。最新のケースとしては、9月4日に行われたマサチューセッツ(MA)州7区の民主党下院予備選です。
この「MA7区」ですが、現在はマイク・カプアーノというベテラン議員が10期連続で(区割り変更を含む)当選しています。そこに今回チャレンジャーとして登場した、アフリカ系女性のアヤナ・プレスレー候補が、59%対41%という大差で勝利しています。
プレスレー候補の政策は、バーニー・サンダース上院議員に大きく影響を受けた民主党左派で、公約には「メディケア・フォー・オール(欧州や日本タイプの国民皆保険の実現)」「トランプ大統領の即時罷免」「ICE(移民取締官制度)の廃止」といった内容を掲げています。
こうした民主党の「左シフト」には、2016年の選挙でサンダース候補を応援した30代以下の熱狂的な支持がある一方で、せっかく「トランプ離れ」を起こしている中道票を取り逃がす危険もあるわけです。ただ、こうした左派が躍進する格好で、民主党が大勝すれば、時代の歯車は大きく動くことになるのは間違いありません。中間選挙ではそこが大きな注目ポイントになります。
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