最新記事
シリーズ日本再発見

新宿―東京は何線で? 日本の交通案内は分かりやすいですか

2016年12月09日(金)14時39分
高口康太(ジャーナリスト、翻訳家)

 神翻訳に翻弄されているのではと外国人に尋ねてみると、意外な回答が返ってきた。「もちろん正しい中国語に翻訳してくれればそっちのほうがいいですけど、だいたいの意味はわかりますからね。ないよりあったほうがいいですよ」と、匿名の中国人女性(20代)。失敗はあっても外国人に気持ち良くすごしてもらいたいという気持ちがうれしいと話している。他にも「そんな怒るほどのことじゃないですよ。まあ面白かったら写真を撮ってSNSにアップしちゃいますけど(笑)」(孫慧雪さん)と、おおらかな対応だった。

 2月から日本で働いている李沢南さん(中国出身、25歳男性)は、地図の見やすさなどの改善も必要だが、それよりも大きな課題があると話してくれた。中国の都市では道が碁盤の目状に整備されているため分かりやすいが、日本の道はまがりくねっていて複雑怪奇、迷いやすいのだという。気持ちは分からないでもないが、あまりに根本的な課題だけに解決は難しそうだ。

 李さんの従兄弟だという留学生の李沢北さん(中国出身、19歳男性)は「確かに日本の交通は複雑ですよね」と話しつつも、「でも困ったら道を聞けばいいだけですから。道を聞いても、分からないとスルーされてしまうのが一番辛いです」と指摘していた。

 結局は、日本国民一人一人のおもてなしの心が問われているということのようだ。


japan_banner500-6.jpg

japan_banner500-5.jpg

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米関税、英成長を圧迫 インフレも下押し=英中銀ディ

ビジネス

米9月中古住宅販売、1.5%増の406万戸 7カ月

ビジネス

ユーロ圏消費者信頼感指数、10月はマイナス14.2

ワールド

米、イスラエルによるヨルダン川西岸併合容認せず、副
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 2
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 3
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 4
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 5
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 6
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 7
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 8
    「石炭の時代は終わった」南アジア4カ国で進む、知ら…
  • 9
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 10
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 10
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中