コラム

「吐き気がした...」性被害から子供たちを守る、「セックスワーカー保護」で成果を上げる英国の試み

2025年05月08日(木)17時57分
セックスワーカーとの関係強化で性犯罪を防止

T.Dallas/Shutterstock

<小学生の女の子のふりをするよう頼む男、携帯に保存した児童虐待の写真を見せる男......。性産業従事者との信頼を深め、児童の性的搾取に関する情報を集めるプロジェクト>

[ロンドン発]50代のセックスワーカー、アンナは売春相手の男から金銭の見返りに小学生の女の子のふりをするロールプレイを頼まれた。それは3カ月も続いた。「実に不快だった。正直言って吐き気がした」とアンナは英BBC放送(5月7日付)に打ち明けている。

警察に通報したところ、男は8歳の娘を虐待していたことが判明。アンナは法廷でも証言し、男は刑務所で服役中だ。売春相手から携帯電話に保存された児童虐待の写真を見せられ、通報したセックスワーカーもいる。彼女たちは「見て見ぬふりをするわけにはいかなかった」という。

英イングランド西部の港湾都市ブリストルでは夜の性被害と性的搾取を防ぐユニークな取り組み「ナイトライト」が行われている。地元警察のセックス・リエゾン・オフィサー、ローズ・ブラウンさんと児童福祉慈善団体のジョー・リッチーさんが主導するプロジェクトだ。

街頭のセックスワーカーが果たす役割

ブリストルで危険にさらされている子どもたちの安全を守る上で街頭のセックスワーカーが果たす役割は重要だ。「ナイトライト」のチームは街娼が多く立つ地域を午後7時から早朝まで飲み物、チョコレートや衣服を用意して覆面パトカーで巡回、セックスワーカーと交流を深める。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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