<展示飛行を行ったのは、電動垂直離着陸機と通常離着陸型全電動航空機だ>

[英南部ハンプシャー州ファンボロー発]ファンボロー国際航空ショー(7月20~24日)で米製ステルス戦闘機F-35や大型旅客機エアバスA350-1000、最新鋭ビジネスジェットに交じり2種類の全電動航空機が展示飛行した。100年を超えるファンボローの航空史で先進航空モビリティ(AAM)の展示飛行は初めて。

英バーティカル・エアロスペースが開発した電動垂直離着陸機(eVTOL)のプロトタイプ「VX4」と、米ベータ・テクノロジーズの通常離着陸型全電動航空機(eCTOL)「CX300」による展示飛行は航空業界にも脱炭素化の波が押し寄せていることを印象付けた。

AAMがコンセプト展示や初期技術実証の段階から、型式証明と実運航を見据えた開発フェーズへ移ったことを印象付けるイベントとなった。VX4はヘリコプターのように垂直に浮上し、上空でプロペラの角度を傾けて高速巡航へと移行するティルトローター型だ。

着陸時にプロペラ音が聞こえる程度の静寂性

商用モデルの「Valo」は操縦士1人、乗客4人、将来6席への拡張も想定。英国民間航空局(CAA)から飛行許可を受けて垂直離陸から巡航モードへのスムーズな切り替え、滑走路上の低空ホバリングによる横移動から垂直着陸モードへ戻る「遷移飛行」を観客の前で披露した。

VX4
英バーティカル・エアロスペースの電動垂直離着陸機「VX4」(筆者撮影)

着陸時にプロペラ音が聞こえる程度の静寂性に驚きの声が漏れた。滑走路のない都市部でのポイント・ツー・ポイント移動を目指しており、アメリカン航空、日本航空(JAL)、アイルランドのAvolonなどから計約1500機の仮注文を獲得済みだ。

今回は世界最大級のプライベートジェット運航・管理会社ルクスアビエーション・グループの「シグマ・エア・モビリティ」との新たなパートナーシップの覚書を発表。米ニア・アース・オートノミーとの提携による自律飛行技術の組み込みを目指す。

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