2007年、サンフランシスコに住むブライアン・チェスキーとジョー・ゲビアは困っていた。共同で借りているアパートの家賃が値上がりしたが、十分な現金がない……。

ちょうどその頃、同市内ではデザイン関連の会議が開催間近で、ホテルはどこも満室だった。宿泊場所として、自宅の居間にエアベッドを設置して貸し出そうと、チェスキーとゲビアは決めた。料金は1泊わずか80ドルだ。

宿泊希望者は自分たちと同じ20代の会議参加者で、寝る場所さえあればいいだろうと予想していた。だが現れたのはユタ州出身の5児の父親、マサチューセッツ州ボストンから来た35歳の女性やインド人の男性だった。

「ささやかな始まりだった。企業化の構想は全くなかった。ジョーとブライアンは個人的問題を解決しようとしただけだ。2人は起業家を目指して仕事を辞めたばかり、つまり失業中だったから」。数カ月後に誕生した会社の3人目の共同創業者、ネイサン・ブレチャージクは本誌にそう語る。

それこそが、Airbnb(エアビーアンドビー)の出発点だった。

宿泊体験はありきたりでない幅広い選択肢がAirbnbの魅力。こちらはカナダのログハウス風の家
宿泊体験はありきたりでない幅広い選択肢がAirbnbの魅力。こちらはカナダのログハウス風の家 AIRBNB

チェスキーとゲビアは自宅に迎えたゲストを会議に連れて行き、友人や知り合いに引き合わせ、普通の観光旅行では目にすることのないサンフランシスコの姿を紹介した。ホテルやホステルでは得られない、地元に根差した特別な体験だった。

「この出来事をきっかけに、別の状況で、ほかの人々のために同じことができるのではないかと考えるようになった」と、ブレチャージクは言う。「ホテルと同じくらい簡単に、誰かの家を予約可能にできるのではないか、と」

「私たちは信頼をつくり上げる方法を革新した」
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