コラム

欧州だけで「プーチンの抑え込み」は可能か...「アメリカ抜き」で進むウクライナ平和維持部隊計画

2025年04月11日(金)17時33分

ヒーリー氏は「ウクライナ和平を確保し、欧州の安全保障を強化するという有志国の歴史的な責任感に感銘を受けた。戦争を忘れることで平和を危険にさらすわけにはいかない。プーチンにさらに圧力をかけ、ウクライナ支援を強化しなければならない」と強調した。

米国から英国に議長役が引き継がれた2月のウクライナ防衛連絡グループには46カ国が参加し、軍事支援のため15億ユーロの追加拠出が決定された。4月11日ブリュッセルで開かれる同グループの会合もドイツと英国の国防相が議長を務める。

もう米国を当てにするわけにはいかない。

最大の安全保障は自国の軍事力

英国は今年度の国防費を50億ポンド増額、2027年から国内総生産(GDP)の2.5%を国防費に充てる。(1)ウクライナへの武器・装備の供給を強化(2)長期的にウクライナの国防能力を高める(3)同盟国と協力し強固な安全保障を確立(4)プーチンへの圧力を維持する。

キア・スターマー英首相は先月、ウクライナに5000発以上の防空ミサイルを提供する総額16億ポンドの契約を発表した。これまでにウクライナにドローン(無人航空機)や戦車、軽量多目的ミサイルなど約400種類の能力を提供してきた英国は今年45億ポンドの軍事支援を行う。

ヒーリー氏は「有志国の再保証部隊について空と海の安全確保、陸上の平和維持、ウクライナ軍の再生と強化の支援という4つの目的を確認した。ウクライナ人自身が将来、最大の安全保障は自国の軍事力であり、ロシアを自ら抑止する能力だと述べている」と記者団に話した。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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