航空・旅行業界、イラン停戦でも直ちに苦境改善せず 回復に数カ月か
米ニューヨーク市のジョン・F・ケネディ国際空港で2025年11月撮影。REUTERS/Jeenah Moon
Yi-Chin Lee Julie Zhu Alessandro Parodi
[シンガポール/香港 8日 ロイター] - 航空業界の幹部らは8日、米国とイランによる2週間の停戦合意によって航空各社の苦境が直ちに改善する可能性は低いとの見方を示した。
業界関係者は、中東各地の石油精製施設が損傷したことを受け、たとえイランがホルムズ海峡を再開したとしても、ジェット燃料の供給は今後数カ月にわたり逼迫し、価格も高止まりすると警告している。
デルタ航空が8日公表した第2・四半期の利益見通しは予想を下回った。同四半期に見込む約20億ドルの追加燃料費を相殺するため、便数を削減する方針も明らかにした。
航空会社にとって燃料費は通常、人件費に次いで2番目に大きいコストで、営業費用の約27%を占める。ジェット燃料価格は紛争開始以来2倍以上に跳ね上がり、原油価格の上昇率(約50%)を大きく上回っている。
米国とイランの2週間の停戦合意を受け、原油価格は1バレル=100ドルを割り込んだ。しかし、業界幹部や専門家のコメントは、ジェット燃料の価格高騰や供給制約への懸念に直面する航空会社の苦境が深まっていることを浮き彫りにしている。
主要な欧州航空会社が加盟する業界団体「エアラインズ・フォー・ヨーロッパ」によると、欧州の航空各社は供給業者や空港と連携してジェット燃料の在庫状況を確認しているが、どの程度速やかに供給が回復するかは現時点で判断できないとしている。
観光業の回復にも時間がかかる見通しだ。旅行大手TUIは紛争開始以来アブダビとドーハで足止めされているクルーズ船2隻について、運航可能な状況になってから実際の再開までに少なくとも4週間かかるとの見方を示した。
オックスフォード・エコノミクスのエコノミスト、アーロン・ゴールドリング氏は、主要な交通ハブが再開されたとしても、中東の3670億ドル規模の観光産業が回復するには、最良のシナリオでも数カ月を要する可能性があると指摘。
「停戦後7カ月間はセンチメントに影響が続き、安全性の認識回復はかなり緩やかになるだろう」と述べた。





