トランプ氏、ホルムズ海峡巡り新たな警告 米和平案「非現実的」とイラン
写真は3月29日、イスラエル南部で煙が立ち上る様子。REUTERS/Amir Cohen
Alexander Cornwell Trevor Hunnicutt Asif Shahzad
[テルアビブ/ワシントン/イスラマバード 30日 ロイター] - トランプ米大統領は30日、イランが原油輸送の要衝ホルムズ海峡を開放しなければ、同国の油田や発電施設を攻撃すると改めて警告した。一方、イランは米国の和平案を「非現実的」と批判し、イスラエルに向けて相次ぎミサイルを発射した。
イスラエル軍は30日にイエメンから飛来したドローン2機を迎撃したほか、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラもイスラエルに向けてロケット弾を発射したと明らかにした。イエメンの親イラン武装組織フーシ派は28日に参戦し、イスラエルにミサイルを発射している。
イスラエル軍はイランの首都テヘランにある「軍事インフラ」やレバノンの首都ベイルートにあるヒズボラのインフラに対しミサイル攻撃を実施した。
トルコ国防省は、イランから発射された弾道ミサイルがトルコ領空に入り、東地中海に展開されている北大西洋条約機構(NATO)のミサイル防衛システムで迎撃されたと明らかにした。今回の迎撃は米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦開始以降で4件目。
<米、交渉模索しつつ部隊派遣>
複数の米政府当局者は、 米陸軍の精鋭部隊「第82空挺師団」の数千人規模の兵士が中東地域に到着しつつあるとロイターに述べた。イランとの協議を模索する一方で、同国領内への部隊展開も含め選択肢を広げている。
トランプ氏は先週、イランのエネルギー施設への攻撃を4月6日まで停止すると表明した。ホワイトハウスのレビット報道官は30日、トランプ氏がこの期限までの合意成立を望んでいると述べた。また、イランとの協議は順調に進んでいるとした上で、イランが公に表明していることと、米当局者に非公式に伝える内容は異なると指摘した。
イラン外務省のバガイ報道官はこれに先立ち、米国から交渉の意向を示したメッセージを仲介者を通じて受け取ったとした上で「非現実的で非論理的かつ過剰だ」と批判。イランの立場は明確で「軍事的侵略を受けており、われわれの努力と力はすべて自衛に集中している」と述べた。また、イラン議会が核拡散防止条約(NPT)からの脱退の可能性を検討しているとも言及した。
バガイ氏の発言後、トランプ氏は自身の交流サイト(SNS)への投稿で、イランの「より穏健な政権」と協議を進めていると主張すると同時に、ホルムズ海峡の開放を要求。
「大きな進展があった。合意はおそらく得られるが、何らかの理由で合意がすぐに成立せず、ホルムズ海峡が直ちに解放されなければ、われわれはイランでの『すばらしい滞在』を締めくくる形で、イランの全ての発電施設、油田、カーグ島を爆破し完全に破壊する」と投稿した。イランの飲料水供給を担う海水淡水化施設への攻撃も示唆した。
仲介を試みているパキスタンの治安当局者は、週内に米・イラン間の直接協議が行われる可能性は低いとの見方を示した。
ホワイトハウスはトランプ氏がアラブ諸国に軍事作戦の費用負担を求めることを検討しているとも述べた。この案に関する記者の質問に対し、レビット報道官は「トランプ大統領が費用負担に協力するよう呼びかけることに関心を持っていると思う」とし、トランプ氏が今後この問題について多くの発言を行うだろうと応じた。
国際通貨基金(IMF)は30日、中東での戦争が当事国とその周辺経済に深刻な混乱をもたらし、過去の危機からようやく回復し始めた多くの経済の見通しを悪化させていると警告した。
また、主要7カ国(G7)はエネルギー市場の安定を確保し、最近の変動による広範な経済への波及効果を抑えるため「必要なあらゆる措置」を講じる用意があると表明した。財務相・中銀総裁らによるオンライン会合開催後、共同声明を発表した。





