米、戦略石油備蓄補充へ90万バレルの原油購入

写真は石油貯蔵タンクと原油パイプライン設備。 2016年6月、米テキサス州フリーポートで撮影。 REUTERS/Richard Carson

[１２日 ロイター] - 米エネルギー省は１２日、戦略石油備蓄（ＳＰＲ）の補充に向け、９０万バレルの原油を約５６００万ドルで購入したと発表した。

同省の文書によると、トラフィグラ・トレーディングが６０万バレル、エナジー・トランスファー・クルード・マーケティングが３０万バレルを供給する。

同省は先月、ＳＰＲを積み増すために最大１００万バレルの原油購入を検討していると発表していた。

トランプ政権はこれまでＳＰＲの補充を目指してきたが、資金不足やＳＰＲ施設の継続的なメンテナンスによって制限されている。

トランプ大統領が主導した税制・歳出法にはＳＰＲの石油購入とメンテナンス費用として約１億７１００万ドルが計上されたが、当初法案に盛り込まれていた１３億ドルを大きく下回る。

このためＳＰＲ向けの原油購入拡大には、新たな法案の成立が必要になる見通しだ。

バイデン前政権は２０２２年のロシアによるウクライナ侵攻後に１億８０００万バレルを売却するなど、ＳＰＲから記録的な量を放出した。ＳＰＲの収容能力は約７億バレルあるが、現在の備蓄量は４億１０００万バレル強にとどまっている。