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中国輸入博、米出展企業は貿易戦争の行方を楽観視

2025年11月11日(火)10時46分

中国・上海で開催された中国国際輸入博覧会。11月6日撮影(2025年 ロイター/マキシム・シェメトフ)

Casey Hall

[上海 10日 ロイター] - 上海で5日から10日まで開かれた「中国国際輸入博覧会(CIIE)」に出展した米国の農産物輸出業者は、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が貿易摩擦激化の回避へ向けた枠組みで合意したことを受け、米中関係が今後、正常な状態に戻ると楽観視している。数人の輸出業者や業界関係者が語った。

CIIE会場に設営された米国パビリオンの雰囲気は前向きだという。

米国商工会議所(上海)のジェフリー・リーマン会長は米国パビリオンでロイターに、米国の出展企業は「大きく期待していると思う」と述べた。米国パビリオンにはワイン、ニンジン、ジャガイモなどの輸出を手掛ける業界団体などが出展している。

リーマン氏は米企業が出展した理由について、出展者は新たな顧客と、提携へ向けた新たな事業機会の獲得を目指しており、それが実現すると考えているからだと説明した。

先月に韓国の釜山で開かれた米中首脳会談では、多数の関税の引き下げと輸出規制の解除へ向けた枠組みで合意した。こうした関税や輸出規制の一部は、CIIEに出展した企業の大豆やサトウモロコシといった商品に明らかに影響を及ぼしている。

米国大豆輸出評議会(USSEC)のジム・サッター最高責任者は「釜山で開かれた(米中首脳)会談は成功であり、われわれはそれを祝福しているが、われわれは会談の前から計画を立てていた」と述べた。米中関係については「いくつかの問題があるとはいえ、われわれが関係を断念しなかったことに加え、関係を維持して強化し続けることに取り組んでいると伝えることは、重要だと思う」と付け加えた。

米国穀物・バイオプロダクツ評議会のマーク・ウィルソン議長は、最近の米国から中国への大豆とサトウモロコシの輸出について、今後の通商関係が正常な状態に戻ることを示す明るいシグナルだと指摘。「私は両国が対話を続けるとの望みを持っている。両国が対話を続ければ、問題は解決できると期待されるからだ」と語った。

一方、アナリストは米中首脳会談による緊張緩和について、根本的な原因が依然として解決されていない貿易戦争における一時的な休戦にすぎないかもしれないと話している。

中国に輸出される米国産大豆には依然として13%の関税が課されており、ブラジル産大豆と比べてあまりにも割高だという。

ロイター
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