中国、インド巡礼者のチベット訪問を5年ぶりに許可 関係改善示唆

中国外務省は28日、今夏にインドの巡礼者がチベットの聖地を5年ぶりに訪問できるようになると発表した。チベット自治区で3月撮影(2025年 ロイター/Go Nakamura/File Photo)
[北京 28日 ロイター] - 中国外務省は28日、今夏にインドの巡礼者がチベットの聖地を5年ぶりに訪問できるようになると発表した。両国の関係改善が改めて浮き彫りになった。
中国のチベット自治区にあるカイラス山とマナサロワール湖は、チベット仏教やヒンドゥー教など多くの宗教の聖地になっているが、インドの巡礼者は2020年以降、新型コロナウイルスの流行や両国の地政学的緊張のため、立ち入りが認められていなかった。
中国外務省報道官は定例会見で「インドの信者によるチベットの神聖な山々と湖への巡礼は、中印の文化交流の重要な一部だ」と述べた。巡礼は通常6月から9月にかけて行われる。
同報道官は中国の習近平国家主席とインドのモディ首相が昨年10月に5年ぶりに行った会談に触れ「中国はインドと共に両首脳が達した重要な合意事項を誠実に実行していく」と述べた。
両国は20年にヒマラヤの国境地帯で軍事衝突が発生し、関係が悪化したが、昨年の首脳会談後は高官レベルの会合が行われている。