ニュース速報
ワールド

米国の新たな制裁、ロシアの石油供給を大幅抑制も=IEA

2025年01月15日(水)20時54分

国際エネルギー機関(IEA)は15日に発表した月報で、米政府が打ち出したロシアの石油・天然ガス収入を標的とする大規模な制裁措置について、ロシアの石油供給網を大きく混乱させる可能性があるとの見方を示した。ロシア石油の輸送船、パキスタンのカラチ港で2023年撮影。(2025 ロイター/Akhtar Soomro/File Photo)

Robert Harvey Alex Lawler

[ロンドン 15日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は15日に発表した月報で、米政府が打ち出したロシアの石油・天然ガス収入を標的とする大規模な制裁措置について、ロシアの石油供給網を大きく混乱させる可能性があるとの見方を示した。

「制裁の影響が完全に明らかになるまで、(ロシアとイランの)供給見通しは維持するが、新たな制裁措置により、原油と石油製品のバランスが引き締まる可能性がある」との見方を示した。

IEAは制裁強化に加え、北半球の寒波により1月上旬に原油価格が1バレル=80ドルを超える水準に上昇したと指摘した。

しかし、1)「OPECプラス」以外の国の供給が堅調に伸びていること、2)石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要な産油国で構成するOPECプラスが減産解除を検討していること、3)必要に応じて在庫を引き出せることーーなどから、価格上昇は抑制される可能性があるとした。

IEAの石油市場見通しで、供給の伸びが需要の伸びを上回るため、世界市場は今年も供給過剰の状態が続くと予測している。

2025年の世界の石油供給の伸びは、日量180万バレルに達し、このうちOPECプラス非加盟国の生産量が150万バレルを占めると予想した。

一方、今年の石油需要の伸びは日量105万バレルと予測している。前回予想の日量110万バレルから下方修正された。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日米首脳「USスチールは買収でなく投資」、米産LN

ワールド

アングル:16歳未満のSNS禁止する豪、ユーチュー

ワールド

北朝鮮、核兵器は「交渉材料ではない」=KCNA

ビジネス

米国株式市場=下落、貿易戦争巡る懸念で 精彩欠く雇
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ドラマは是枝監督『阿修羅のごとく』で間違いない
  • 3
    「嫌な奴」イーロン・マスクがイギリスを救ったかも
  • 4
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 5
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 6
    賃貸住宅の「床」に注意? 怖すぎる「痕跡」を発見し…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    睡眠中に体内は大掃除されている...「寝ているあいだ…
  • 9
    なぜ「ファスティング」は「筋トレ」と同じなのか? …
  • 10
    ドイツ経済「景気低迷」は深刻......統一後で初の3年…
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 5
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 6
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 7
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 8
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 9
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 10
    マイクロプラスチックが「脳の血流」を長期間にわた…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中