ニュース速報

ワールド

ロシア中銀、外貨購入休止へ ルーブル下落阻止へ予算規則停止

2023年08月10日(木)16時50分

 8月9日、ロシア中央銀行は財務省に代わって行っている外貨買入れを10日から年末まで休止すると発表した。写真はルーブル紙幣。7月、サンクトペテルブルクで撮影(2023年 ロイター/Anton Vaganov)

[モスクワ 9日 ロイター] - ロシア中央銀行は9日、財務省に代わって行っている外貨買入れを10日から年末まで休止すると発表した。通貨ルーブルの下落を防ぐ狙いがあるが、財務省は予算規則を事実上停止することになる。

ルーブルはこの日、1ドル=98ルーブルを超えて約16カ月ぶりの安値を付けていたが、発表を受けて下げ幅を縮小した。

中銀は予算規則に関連した財務省の業務に基づく国内市場での外貨買い入れを、10日から2023年末まで行わないことを決定したとの声明を発表した。

「この決定は金融市場のボラティリティーを下げることが狙いだ」と説明した。

ロシア政府は石油・ガス輸出からの収入が不足した場合、予算規則に基づき、石油収入の一部を積み立てている政府系ファンド「ナショナル・ウェルス・ファンド(NWF)」が保有する外貨を売却して穴埋めする。収入超過なら外貨を買い入れる。中銀が財務省に代わって実務を担当している。

プロムスビャジバンクのアナリストは、ロシア中銀が為替レートの動きに懸念を抱いていることを示すものだが、この措置だけではさらなるルーブル安を防ぐには不十分と指摘。

「為替市場の状況を安定させるための新たな措置が打ち出される可能性がある」との見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国とNZ首相、貿易・投資拡大で一致 人権やAUK

ビジネス

ディズニーとフロリダ州知事、対立に終止符 テーマパ

ビジネス

アングル:米株市場、CPI鈍化で出遅れ銘柄に上昇観

ビジネス

ファイアウオール規制、引き続き緩和求める=福留全銀
MAGAZINE
特集:姿なき侵略者 中国
特集:姿なき侵略者 中国
2024年6月18日号(6/11発売)

アメリカの「裏庭」カリブ海のリゾート地やニューヨークで影響力工作を拡大する中国の深謀遠慮

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車の猛攻で、ロシア兵が装甲車から「転げ落ちる」瞬間

  • 2

    毎日1分間「体幹をしぼるだけ」で、脂肪を燃やして「勝手にやせていく体」をつくる方法

  • 3

    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思っていた...」55歳退官で年収750万円が200万円に激減の現実

  • 4

    長距離ドローンがロシア奥深くに「退避」していたSU-…

  • 5

    謎のステルス増税「森林税」がやっぱり道理に合わな…

  • 6

    【衛星画像】北朝鮮が非武装地帯沿いの森林を切り開…

  • 7

    バイデン放蕩息子の「ウクライナ」「麻薬」「脱税」…

  • 8

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が妊娠発表後、初めて公の場…

  • 9

    たった1日10分の筋トレが人生を変える...大人になっ…

  • 10

    堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっ…

  • 1

    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思っていた...」55歳退官で年収750万円が200万円に激減の現実

  • 2

    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...? 史上最強の抗酸化物質を多く含むあの魚

  • 3

    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車の猛攻で、ロシア兵が装甲車から「転げ落ちる」瞬間

  • 4

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 5

    カラスは「数を声に出して数えられる」ことが明らか…

  • 6

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…

  • 7

    堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっ…

  • 8

    「クマvsワニ」を川で激撮...衝撃の対決シーンも一瞬…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が妊娠発表後、初めて公の場…

  • 10

    毎日1分間「体幹をしぼるだけ」で、脂肪を燃やして「…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 4

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 10

    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中