ニュース速報

ワールド

北朝鮮が「弾頭」公開、金総書記は兵器級の核物質拡充を指示

2023年03月28日(火)14時15分

3月28日、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、金正恩朝鮮労働党総書記(写真)が27日に核兵器プログラムを視察したと報じ、新たな小型核弾頭とみられる物体の写真を公開した。写真は平壌で撮影。KCNAが1日配信(2023年 ロイター)

[ソウル 28日 ロイター] - 北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は28日、金正恩朝鮮労働党総書記が27日に核兵器プログラムを視察したと報じ、新たな小型核弾頭とみられる物体の写真を公開した。

金氏は核兵器保有を増強するため兵器級の核物質拡充を指示し、核兵器をいつでも使用できるよう万全の態勢を整えるべきと強調したという。

KCNAによると、金氏は核兵器研究所を訪問し、新型戦術核兵器や弾道ミサイルへの弾頭搭載技術、核反撃作戦計画などを視察。その様子を収めた写真には「ファサン(火山)31」と呼ばれる弾頭が写っている。

専門家は、米国を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載できるほどの強度を持つ弾頭の小型化が進んでいる可能性があると指摘する。

ソウル大学校のKune Y.Suh名誉教授(原子力工学)は「より小さなスペースに、より強力なものが搭載されている」と述べ、新しい弾頭を2016年版と比較しながら懸念を示した。

米ミドルベリー国際研究所の不拡散研究センターの非常勤教授、ジョージ・ウィリアム・ハーバート氏は「以前の核兵器よりもサイズが大幅に改善されており、おそらく設計も進んでいる」と指摘した。

KCNAによると、金氏は核兵器保有を「飛躍的に」増強し、強力な兵器を製造するために「先を見据えた方法」で兵器級の核物質の生産を拡大するよう指示した。

また、北朝鮮の核戦力に対する敵は特定の国家や集団ではなく、「戦争と核災害」だとし、核兵器増強政策の目的は国家防衛と地域の平和と安定の保護だと述べた。

KCNAによると、北朝鮮は、27日の地対地戦術弾道ミサイル2発発射とともに核の空中爆発攻撃シミュレーションを実施した。

また、25─27日に水中戦略兵器システムの実験を行ったという。

*システムの都合で再送します。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

ニュース速報

ビジネス

豪貿易黒字、4月は111.58億豪ドルに縮小

ビジネス

米財務省、月内にTビル大量発行へ 債務上限停止受け

ワールド

ウクライナのダム決壊、4.2万人に洪水被害リスク 

ワールド

ウクライナ南部のダム破壊、数十万人が飲料水入手困難

MAGAZINE

特集:最新予測 米大統領選

2023年6月13日号(6/ 6発売)

トランプ、デサンティス、ペンス......名乗りを上げる共和党候補。超高齢の現職バイデンは2024年に勝てるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。

人気ランキング

  • 1

    「中で何かが動いてる」と母 耳の穴からまさかの生き物が這い出てくる瞬間

  • 2

    【動画・閲覧注意】15歳の女性サーファー、サメに襲われ6針縫う大けがを負う...足には生々しい傷跡

  • 3

    ウクライナの二正面作戦でロシアは股裂き状態

  • 4

    性行為の欧州選手権が開催決定...ライブ配信も予定..…

  • 5

    ワグネルは撤収と見せかけてクーデーターの機会を狙…

  • 6

    自社株買いでストップ高!「日本株」の評価が変わり…

  • 7

    プーチンは体の病気ではなく心の病気?──元警護官が…

  • 8

    いま株価が上昇するのは「当たり前」...株高の「現実…

  • 9

    「ダライ・ラマは小児性愛者」 中国が流した「偽情報…

  • 10

    メーガン妃が「絶対に誰にも見られたくなかった写真…

  • 1

    ロシアの「竜の歯」、ウクライナ「反転攻勢」を阻止できず...チャレンジャー2戦車があっさり突破する映像を公開

  • 2

    「中で何かが動いてる」と母 耳の穴からまさかの生き物が這い出てくる瞬間

  • 3

    「日本ネット企業の雄」だった楽天は、なぜここまで追い込まれた? 迫る「決断の日」

  • 4

    「ダライ・ラマは小児性愛者」 中国が流した「偽情報…

  • 5

    米軍、日本企業にTNT火薬の調達を打診 ウクライナ向…

  • 6

    敗訴ヘンリー王子、巨額「裁判費用」の悪夢...最大20…

  • 7

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

  • 8

    ワグネルは撤収と見せかけてクーデーターの機会を狙…

  • 9

    どんぶりを余裕で覆う14本足の巨大甲殻類、台北のラ…

  • 10

    【画像・閲覧注意】ワニ40匹に襲われた男、噛みちぎ…

  • 1

    【画像・閲覧注意】ワニ40匹に襲われた男、噛みちぎられて死亡...血まみれの現場

  • 2

    カミラ妃の王冠から特大ダイヤが外されたことに、「触れてほしくない」理由とは?

  • 3

    「ぼったくり」「家族を連れていけない」わずか1年半で閉館のスター・ウォーズホテル、一体どれだけ高かったのか?

  • 4

    F-16がロシアをビビらせる2つの理由──元英空軍司令官

  • 5

    築130年の住宅に引っ越したTikToker夫婦、3つの「隠…

  • 6

    歩きやすさ重視? カンヌ映画祭出席の米人気女優、…

  • 7

    「飼い主が許せない」「撮影せずに助けるべき...」巨…

  • 8

    世界がくぎづけとなった、アン王女の麗人ぶり

  • 9

    預け荷物からヘビ22匹と1匹の...旅客、到着先の空港…

  • 10

    キャサリン妃が戴冠式で義理の母に捧げた「ささやか…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中