ニュース速報

ワールド

日米が軍事技術の新協定、極超音速兵器に対処へ 中国を強くけん制

2022年01月07日(金)13時29分

 日米両政府は1月6日(日本時間7日午前)、外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を開いた。2015年4月、ワシントンで撮影(2022年 ロイター//Kevin Lamarque)

[ワシントン/東京 7日 ロイター] - 日米両政府は日本時間7日午前、外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を開き、台湾海峡や人権問題を巡って中国を強くけん制するとともに、同盟の抑止力を強化することで一致した。極超音速ミサイルなど新たな脅威に対抗するため、軍事技術を共同で研究開発するための新たな協定に署名した。

日米2プラス2の開催は昨年3月以来。米側はブリンケン国務長官とオースティン国防長官、日本側は林芳正外相と岸信夫防衛相が出席した。新型コロナウイルスの感染が拡大しているため、今回はビデオ会議方式で対面した。

両国は共同声明で、「地域の安定を脅かす行為を共同で抑止する。必要なら共同で対処する」と強調。中国の新疆ウイグル自治区と香港における人権問題について「深刻な」懸念を示したほか、台湾海峡の平和と安定の重要性に言及した。

また、米国による日本の防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条が、尖閣諸島(中国名:釣魚島)にも適用されることを再確認した。尖閣諸島は日本が実効支配し、中国も領有権を主張している。

ブリンケン国務長官は会談の冒頭、「中国の挑発的な行動が台湾海峡や東シナ海と南シナ海で緊張を高めている」と指摘。「ウクライナ国境で兵力を増強するロシアの動きが欧州の平和と安定を脅かしている」と語った。

オースティン国防長官は、北朝鮮による核開発や中国の「侵略的な行動」がインド太平洋地域の平和を脅かしているとし、日米同盟の抑止力強化の必要性を訴えた。日本側の能力増強を同盟に反映させる考えを示した。

<日米で技術力を補完>

日米は今回、軍事技術の研究開発を共同で進める新たな協定を結んだ。ブリンケン国務長官は、既存の兵器を強化するだけでなく、新たな兵器を開発する必要があると発言。両国の科学者や技術者の協力を促し、極超音速兵器や宇宙戦力など新たな脅威に対処していくとした。「日本と米国は能力を補完し合える。我々には競争力があり、革新的になりえる」と語った。

北朝鮮は5日に弾道ミサイルを発射。翌6日、極超音速ミサイルの発射実験を行ったと発表した。ロシアや中国、米国自身も極超音速兵器の開発を進めている。

両国は共同声明に、ミサイル対処能力を含めて日本が防衛力強化のためあらゆる選択肢を検討することも明記した。林外相は会合後の記者会見で、「ミサイルの脅威に対抗するための能力を含め、あらゆる選択肢を排除せずに現実的に検討していくこととしている旨、米側に説明した」と語った。「いわゆる敵基地攻撃能力のみならず、ミサイル防衛に関わる能力なども含まれていると考えている」とした。

日米は2022年度以降の在日米軍駐留経費の特別協定にも署名した。日本は5年間で1兆円超を負担する。ブリンケン国務長官は「軍事的な即応性と(米軍と自衛隊の)相互運用性を高める」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

情報BOX:イラン攻撃の影響は、世界石油供給の約4

ワールド

イスラエルがイラン攻撃、米も大規模な軍事作戦

ワールド

対イラン攻撃、「イラン国民が自らの運命切り開けるよ

ワールド

トランプ氏、 イランで大規模作戦開始と表明 未来の
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    がん治療の限界を突破する「細菌兵器」は、がんを「内側」から食い尽くす...カナダの大学が発表
  • 4
    ウクライナが国産ミサイル「フラミンゴ」でロシア軍…
  • 5
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 6
    「努力が未来を重くするなら、壊せばいい」──YOSHIKI…
  • 7
    トランプがイランを攻撃する日
  • 8
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 9
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「一人旅が危険な国」ランキン…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 6
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 7
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 8
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 9
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中