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米国、南シナ海でのフィリピン船への妨害行為で中国に警告

2021年11月20日(土)05時58分

米国は19日、南シナ海でフィリピンの補給船に向けて放水銃を使った中国の行動を「危険で、挑発的で、正当化されない」とし、フィリピン船への武力攻撃を受けて米国の相互防衛義務を発動させる可能性があると警告した。11月16日、上海で撮影された米国と中国の国旗(2021年 ロイター/Aly Song/File Photo)(

[ワシントン 19日 ロイター] - 米国は19日、南シナ海でフィリピンの補給船に向けて放水銃を使った中国の行動を「危険で、挑発的で、正当化されない」とし、フィリピン船への武力攻撃を受けて米国の相互防衛義務を発動させる可能性があると警告した。

国務省のプライス報道官は「地域の平和と安定を直接脅かすエスカレーション」の中で、米国は条約上の同盟国フィリピンを支持すると表明。中国政府は「フィリピンの排他的経済水域でのフィリピンの合法的な活動を妨害してはならない」とコメントした。

プライス氏は「米国はフィリピンの同盟国とともにルールに基づく国際海洋秩序を守る立場にあり、南シナ海でのフィリピン公船への武力攻撃は米国の相互防衛義務を発動させる可能性があることを再確認する」と述べた。

フィリピンは18日、中国海警局(日本の海上保安庁に相当)の船3隻が南シナ海のフィリピン領環礁に向かう補給船を妨害し、放水銃を使用したとして「最も強い表現で」非難した。

今回の事件は、米国のジョー・バイデン大統領と中国の習近平国家主席が超大国間の緊張関係の激化が紛争に発展しないようにすることを目的に今週、3時間半にわたってオンライン形式で会談した数日後に起きた。

プライス氏は「米国は、南シナ海の海洋権益を拡大的かつ非合法に主張する中国の行為が、この地域の平和と安全を損なうものであると確信する」とコメントした。

国務省の別の報道官は、中国海警局の行動を「危険で、挑発的で、正当化されない」と匿名で語り、「これは、中国が他国を威嚇し挑発するために行っている一連の行動の中で最新のものであり、この地域の平和と安全、ルールに基づく国際秩序を損なっている」と批判した。

米国は、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナムも領有権を主張している南シナ海で中国が領有権を主張していることを繰り返し非難してきた。

ロイター
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