ニュース速報

ワールド

河野氏「年金改革が必要」、岸田氏「消費税10年上げず」=討論会

2021年09月18日(土)18時47分

 9月18日、自民党総裁選に立候補した河野太郎行政改革担当相は、日本記者クラブ主催の公開討論会で、抜本的な年金制改革を今やらないといけないと強調、財源は税金で賄うべきとの考えを示した。代表撮影(2021年 ロイター)

[東京 18日 ロイター] - 自民党総裁選に立候補した河野太郎行政改革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行は18日、日本記者クラブ主催の公開討論会に出席、河野氏は、抜本的な年金制改革を今やらないといけないと強調し、財源は消費税で賄うべきとの考えを示した。岸田氏はその場合は消費税をどれだけ上げるかの議論が必要とし、自身としては消費税は10年程度は引き上げないとの考えを示した。

河野氏は「構造的に、保険料では最低保障年金が出せないというのは明らかだ」と指摘、「抜本的に年金制度の改革を今やらなければ、若い人たちの将来の年金生活が維持できない」と述べた。

岸田氏は、年金は支える側と支えられる側のバランスを考える必要があるとし、税でやるとした場合に消費税を何%上げるのかしっかり議論しないといけないとの見解を示した。

高市氏は生活保護制度は重要であり、生活が成り立たないときは堂々と福祉で受けられるかたちを作りたいと語った。また、年金制度は運用が行われており、株価が上がることで財源も増えていくと指摘。全て税金となるとどこで線を引くのか難しく、国民負担が増えていくとした。

<経済対策>

経済対策や補正予算について、河野氏は「GⅮPギャップを埋めていく必要がある」と述べるとともに、「規模ありきではない」とし、まずは何をやるべきかを明確にし、国費や民間からの投資分を精査していく必要性を訴えた。その中で、コロナで影響を受けた人々への生活支援、5Gネットワーク、グリーンやデジタル投資などに力を入れる意向を示した。

一方、岸田氏は、消費税について「10年程度は上げることは考えない」と述べるとともに、財政再建の旗は降ろさないとした。コロナとの共存を実現して経済を再び回して成長と分配の好循環を作り上げていかなければならないとし、予算を精査していく意向を述べた。

高市氏は、今回の補正予算は内容を絞り込むべきだとし、医療提供体制や治療薬、事業者や生活困窮者への支援、また災害復旧などを盛り込む意向を示した。規模感は丁寧に積み上げをし、当初予算ですぐに使わないものがあれば、減額補正できるので、それも含めて考え、新たな政策について来年度当初予算に計上すると語った。

野田氏は、コロナが落ち着いた後、「グリーンリカバリー」として洋上風力や水素ステーション、EVステーションなど公共事業として補正予算からしっかり支援するとした。

<使用済み核燃料・対中関係>

核燃料サイクル政策について、河野氏は、使用済み核燃料の「現実的な処分方法をどうするのかテーブルに乗せて議論した方が良い」との考えを示し、国の責任で検討していく必要性を述べた。また、同氏は、中国への対応について、「首脳会談を定期的にやるべき」との見解を示し、中国は「国際秩序の中の一つのプレーヤーとして力を発揮すべき」と伝える必要があるとした。

高市氏は、台湾有事について「可能性は高いと考えて備えをしなければならない」と述べた。日本は国防力の面で限定されているとし、実効的な抑止と対処に必要な能力を保有し、日米同盟で補完する方法が考えられるとした。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米「夏のブラックフライデー」、オンライン売上高が3

ワールド

オーストラリア、いかなる紛争にも事前に軍派遣の約束

ワールド

イラン外相、IAEAとの協力に前向き 査察には慎重

ワールド

金総書記がロシア外相と会談、ウクライナ紛争巡り全面
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 2
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打って出たときの顛末
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 5
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 6
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 7
    主人公の女性サムライをKōki,が熱演!ハリウッド映画…
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    ただのニキビと「見分けるポイント」が...顔に「皮膚…
  • 10
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 7
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 8
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 9
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中