ニュース速報

ワールド

事業者支援などで補正予算は考えていない、予備費など活用=菅首相

2021年04月23日(金)22時23分

 菅義偉首相(写真)は23日、4都府県に対して3度目となる緊急事態宣言の発令を決定した後に記者会見し、事業者支援などで補正予算は考えていないと述べた。代表撮影(2021年 ロイター/Eugene Hoshiko/Pool via REUTERS)

[東京 23日 ロイター] - 菅義偉首相は23日、4都府県に対して3度目となる緊急事態宣言の発令を決定した後に記者会見し、事業者支援などで補正予算は考えていないと述べた。

また、自身の自民党総裁としての任期である9月より前に衆院の解散・総選挙を実施したいと明言した。東京オリンピック・パラリンピックについて、自身に開催の是非を判断する権限はないと繰り返し、引き続き開催準備を進める意向を強調した。

<交付金5000億円を措置、補正予算は考えない>

首相は会見の冒頭で、今年1月に2回目の緊急事態宣言を発令した際の自身の発言を踏まえ、「私自身、二度と再び宣言に至らないよう全力を尽くすと述べたが、再び多くの方に迷惑をおかけすることになり、心からおわびする」と陳謝した。

今回の緊急事態宣言は、飲食店に営業時間の短縮を求めるだけでなく、酒類を提供する飲食店、カラオケ設備を提供する飲食店、デパートなど1000平方メートル以上の大型施設に休業を要請する厳しい規制内容となっている。首相は経済的な影響について「(5月11日までの)期間中に感染を防止できれば、それほど大きくない」との見解を示した。

休業に応じる事業者支援のため、都道府県に対して臨時交付金5000億円を措置すると述べた。経済対策は2021年度当初予算に盛り込まれた5兆円の予備費などを活用し、「補正予算は考えていない」と明言した。

同席した政府の基本的対処方針分科会の尾身茂会長は、今回の緊急事態宣言の延長の有無に関して、「解除判断は新規感染者数などとともに、リバウンドの有無も考慮して判断が必要」と述べた。

<衆院解散、自民党総裁の任期の中で考える>

菅首相は安倍晋三前首相の突然の辞任を受けて昨年9月に就任したため、自民党総裁としての任期が今年9月に迫っている。総裁選に再出馬するかとの質問に対して「私の総裁任期の中で、機会を見て解散・総選挙を考えないといけない」と述べ、自身が解散に踏み切る意向を示した。

<五輪開催の権限はIOCに>

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中で五輪開催を決行するのかとの質問には「開催権限は国際オリンピック委員会(IOC)にある」とし、その中で「安心安全な大会を開催するため全力を尽くす」との従来の発言を繰り返した。

今回の宣言期間が2週間余りと過去2回の宣言よりも短い理由については「すでにまん延防止等重点措置を2週間程度適用している」と説明。

5月11日を期限とするのは17日にIOCのバッハ会長が来日するためでは、との複数の質問に対してはコメントしなかった。

3月に新規感染者数が増加傾向にある中で前回の緊急事態宣言を解除したのは、同月末に開始した「聖火リレーとは関係ない」と述べた。

(竹本能文 編集:山川薫)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

為替は様々な要因を背景に市場において決まるもの=高

ワールド

スペイン、内燃エンジン車販売禁止計画の堅持要請 欧

ビジネス

米コカ・コーラ、英コスタ・コーヒー売却計画が破談の

ワールド

韓国警察、旧統一教会本部などを捜索 議員らへの金品
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中