ニュース速報

ワールド

EXCLUSIVE-米、ナワリヌイ氏への毒物使用巡り2日にも制裁発動へ=関係筋

2021年03月02日(火)12時44分

米国はロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏に対する毒物使用を巡り、早ければ2日にもロシアの個人に制裁を科す見込みだ。写真は今年2月2日、モスクワの法廷に出廷したナワリヌイ氏。(2021年 ロイター/提供写真)

[ワシントン 1日 ロイター] - 米国はロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏に対する毒物使用を巡り、早ければ2日にもロシアの個人に制裁を科す見込みだ。事情に詳しい関係筋2人が1日に明らかにした。

関係筋によると、制裁は2つの大統領令(13661と13382)および「1991年の化学・生物兵器管理と戦争撲滅法」(CBW法)に基づいて発動される見込み。

13661は2014年のロシアによるクリミア侵略を受けて発令され、ロシア当局者を対象とするもの。2005年に発令された13382は大量破壊兵器拡散に対処する内容となっている。どちらも制裁指定された個人・団体の米国内の資産を凍結し、米企業と個人に制裁対象との取引を事実上禁止することを規定している。

バイデン大統領は制裁発動により、昨年8月のナワリヌイ氏の毒殺未遂について制裁措置を取らなかったトランプ前大統領よりも強硬な姿勢を打ち出すことになる。ロシア政府は関与を否定し、ナワリヌイ氏に毒物が使用された証拠は見当たらないとしている。

関係筋は、複数の個人が制裁対象に指定される見通しだと述べたが、個人名は明かさなかった。ロシアへの海外からの援助や特定の輸出許可は適用除外になるという。

3人目の関係筋は、欧州連合(EU)が早ければ2日に発動する制裁と連携させる形で米国の制裁が導入される可能性があると述べた。

EUは2月22日の外相理事会で、ロシアのプーチン大統領の側近4人に制裁を発動することで合意した。ナワリヌイ氏に実刑判決が下されたことに対する象徴的な対応となる。EUは3月初旬に正式にこの決定を承認するとみられていた。

国連の人権専門家は1日、ナワリヌイ氏毒殺未遂事件について、ロシアに責任があると指摘し、国際調査を要請した。

ナワリヌイ氏は事件後にドイツで治療を受け、今年1月に帰国。その後、執行猶予条件への違反で逮捕され、2年6月の実刑判決を受けた。

バイデン大統領は先月、ナワリヌイ氏の拘束は政治的な動機に基づいていると批判し、釈放を求めた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ政権、燃費規制の大幅緩和提案 ガソリン車支

ビジネス

ベセント長官、NEC委員長兼務も トランプ氏側近ら

ビジネス

マイクロン、コンシューマー事業から撤退 データセン

ビジネス

日経平均は続伸で寄り付く、もみ合い後5万円回復 米
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 3
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 4
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    トランプ王国テネシーに異変!? 下院補選で共和党が…
  • 10
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中