ニュース速報

ワールド

アングル:燃料需要、学校再開で増加 公共交通機関は低迷続く

2020年09月19日(土)07時50分

9月15日、夏季休暇の終了と学校の授業再開を背景に各国で交通量が増えている。ロンドンで7月撮影(2020年 ロイター/Hannah McKay)

[ロンドン 15日 ロイター] - 夏季休暇の終了と学校の授業再開を背景に各国で交通量が増えている。これに伴い燃料需要も拡大しているが、在宅勤務を続けている人は多く、自動車販売も減少しており、アナリストは、燃料需要の本格的な回復はまだ見込めないと指摘している。

市場関係者によると、新型コロナウイルスへの懸念を背景に公共交通機関の利用を避ける人は多く、自家用車などの利用が燃料需要拡大の主因となっている。

地図情報会社トムトムがロイターに提供したデータによると、ニューヨーク、ロンドン、パリの道路交通量は、緩やかながらも着実に回復。モスクワ、北京ではロックダウン(都市封鎖)導入前の水準に戻っている。

例年、燃料需要は夏のドライブシーズンが終わった9月に減少するが、アナリストによると、今年は9月の燃料需要が8月並みになるとみられている。

ライスタッド・エナジーの石油市場担当シニアアナリスト、Artyom Tchen氏は「道路交通で利用される燃料は、夏季は横ばいだったが、9月最初の10日間で日量70万バレル増えた。特に欧州で目に見えて需要が拡大している」と述べた。

トムトムのデータによると、ジュネーブなど比較的規模の小さい欧州の都市では、交通量が2019年の水準を上回っている。

アプリ「Transit」がロイターに提供した情報によると、多くの都市では9月の公共交通機関の回復ペースが、道路交通の回復ペースを大幅に下回っている。

Transitのデータによると、英国では公共交通機関を利用する人がフランスよりもはるかに少ない。米国での公共交通機関の利用も低迷が続いている。

市場関係者は、燃料消費が今後数カ月で大幅に拡大するとは予想していない。市内の短距離移動では、旅行などの長距離移動に比べれば、燃料の利用量が少ないためだ。

一部の国で新型コロナの感染が拡大していることも、燃料需要の急ピッチな拡大を妨げる原因となっている。

Tchen氏は「多くの通勤客はまだ在宅勤務を続けており、新車販売も低迷している。9月は目に見えて回復したが、この傾向はあまり長続きしないだろう」と述べた。

ジュネーブのガソリン・トレーダーは匿名を条件に、夏季休暇の終了、学校の再開、自家用車の利用で燃料需要が増加する一方、在宅勤務など他の要因で増加分が相殺されそうだと指摘。「9月以降は、需要が小幅に回復する見通しだが長続きせず、第4・四半期、来年第1・四半期、第2・四半期に突入するだろう」と述べた。

複数の業界幹部は14日、世界のガソリン・ディーゼル需要が来年末までに新型コロナ危機前の水準に戻るとの見通しを示した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:停戦はトランプ氏の「大誤算」か、イラン体制健

ワールド

イラン、和平交渉「不合理」 イスラエルのレバノン攻

ワールド

イランの革命防衛隊、ホルムズ海峡で機雷回避するため

ワールド

北朝鮮、6─8日に戦術弾道ミサイルの弾頭実験など実
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命防衛隊と消耗戦に
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 6
    キッチンスポンジ使用の思いがけない環境負荷...マイ…
  • 7
    高学力の男女で見ても、日本の男女の年収格差は世界…
  • 8
    戸建てシフトで激変する住宅市場
  • 9
    アメリカとイランが2週間の停戦で合意...ホルムズ海…
  • 10
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 5
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 8
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 9
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 10
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中