ニュース速報

ワールド

菅新首相会見、経済再生が最重要課題 総選挙は時間の制約も視野

2020年09月16日(水)22時44分

 9月16日 菅義偉首相(写真)は就任後初の記者会見で、新型コロナウイルスの危機を乗り越え、国民が安心できる生活を取り戻すため、安倍政権の取り組みを継承して前に進めることが私の使命だと語った。9月16日、東京で撮影(2020年 ロイター/代表撮影)

[東京 16日 ロイター] - 菅義偉首相は16日夜、就任後初の記者会見で、新型コロナウイルスの危機を乗り越え、国民が安心できる生活を取り戻すため、安倍政権の取り組みを継承して前に進めることが私の使命だと語った。

また、経済再生は最重要課題だとし、金融緩和、財政投資、成長戦略のアベノミクスを継承し、一層の改革を進めると述べた。

一方、安倍政権で批判を浴びた「桜を見る会」は来年以降、中止すると述べた。

<解散は時間の制約も視野に、まず経済回復に専念>

自民党内で待望論が出ている早期の衆院解散については「今国民が求めているのは早期のコロナ収束と経済立て直しの両立で、まず感染拡大防止と経済の両立に全力で取り組む」と強調し、「まずは経済回復に専念したい」と語った。「1年以内に解散・総選挙がある。時間の制約も視野に入れて考えていきた」とも述べた。

自民党総裁選の最中から掲げてきた省庁の縦割り打破に関して、「規制改革を政権のど真ん中に置く」とし、行政改革担当相に就任した「河野太郎大臣と取り組む」との方針を示した。規制改革の一環として「縦割り110番」の設置検討を河野担当相に指示したことを明らかにした。

行政のデジタル化について「複数の省庁に分かれている関連政策を取りまとめ、強力に進める体制としてデジタル庁を新設する」と表明した。

外交では「戦後外交の総決算を目指し、拉致問題の解決に取り組む」と発言。拉致問題は安倍政権同様に政権の最重要課題だと述べ、「不退転の決意で自ら先頭に立って対応する」と述べた。

拉致被害者の横田めぐみさんの父・滋さんが死去したことに対して「本当に申し訳ない」と陳謝した。

森友・加計学園問題などを巡り「安倍政権に対してはさまざまな指摘があり、客観的におかしなことは直していく必要がある」としつつ、森友問題に関する文書改ざん事件は財務省の調査、検察の捜査を経て解決済みとの従来の見解を繰り返した。

来年以降「桜を見る会」を中止する理由については、コロナ対策に集中する必要があるためで、桜を見る会の予算要求については、従来から否定的な見解を安倍晋三前首相にも伝えてきたと述べた。

(竹本能文 編集:山川薫)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米CB景気先行指数、8月は予想上回る0.5%低下 

ワールド

イスラエル、レバノン南部のヒズボラ拠点を空爆

ワールド

米英首脳、両国間の投資拡大を歓迎 「特別な関係」の

ワールド

トランプ氏、パレスチナ国家承認巡り「英と見解相違」
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中