ニュース速報

ワールド

政府が新型ウイルス対策基本方針、厚労相「今が重要な時期」

2020年02月25日(火)17時30分

 2月25日、政府は25日、新型コロナウイルス感染症対策の基本方針をとりまとめ、発表した。写真は都内で2015年10月撮影(2020年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 25日 ロイター] - 政府は25日、新型コロナウイルス感染症対策の基本方針をとりまとめ、発表した。加藤勝信厚生労働相はこれを受けて会見し「まさに今が、今後の国内の健康被害を最小限に抑える上で極めて重要な時期だ」と述べ、企業に対して休暇取得、テレワークや時差出勤の推進に協力するように呼びかけた。

基本方針では、感染への不安から適切な相談をせずに医療機関を受診することは感染リスクを高めるとし、風邪の症状が軽度である場合は、自宅での安静・療養を原則とする、などとしている。感染しやすい場所に出かけることも避けるよう求めた。高齢者や持病のある人は重症化しやすいことを念頭に、より早期・適切な受診につなげるとしている。

加藤厚労相は会見で国民に対し、感染しやすい環境に行くことを避けるとともに「風邪の症状があれば、外出を控えていただきたい」と呼びかけた。

基本方針は、現状認識として「ここにきて国内の複数の地域で、感染経路が明らかではない患者が突発的に発生しており、一部地域には小規模患者集団が把握されている状態になった」と説明。その上で、感染流行を早期に終息させるため、集団が次の集団を生み出すことを防止することが極めて重要と指摘し、徹底した対策により、患者増加のスピードを可能な限り抑制することが流行の抑制で重要な意味を持つとした。

対策の目的として、社会・経済へのインパクトを最小限にとどめることもうたっている。イベントなどの開催については現時点で全国一律の自粛要請は行わないとする一方で、イベントを主催する地域や企業に対し、専門家会議の見解も踏まえ、「感染の広がり、会場の状況などを踏まえ、開催の必要性を改めて検討するよう要請する」とした。

品不足が続くマスク供給を巡っては、消毒液なども含め、増産や円滑な供給を事業者に要請するとともに、過剰な在庫を抱え込まないよう、消費者や事業者に冷静な対応を呼びかけるという。

加藤厚労相はまた、30人の感染者が報告されている北海道の鈴木直道知事から要請を受け、3人からなる専門家チームを北海道に派遣したことを明らかにした。

(宮崎亜巳 編集:石田仁志)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル下落後切り返す、FOMC受け荒い

ビジネス

10月米利下げ観測強まる、金利先物市場 FOMC決

ビジネス

FRBが0.25%利下げ、6会合ぶり 雇用弱含みで

ビジネス

再送〔情報BOX〕パウエル米FRB議長の会見要旨
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中