ニュース速報

ワールド

アングル:英保守党、過半数獲得で政策どうなる

2019年12月14日(土)12時12分

12月12日投開票の英総選挙は、出口調査で保守党が単独過半数の368議席を得るとの見通しが示されている。この通りの結果となった場合、保守党政権は次のような政策を打ち出すだろう。写真は10日、英アトックシターで選挙パフォーマンスするジョンソン首相。代表撮影(2019年 ロイター)

[ロンドン 12日 ロイター] - 12日投開票の英総選挙は、出口調査で保守党が単独過半数の368議席を得るとの見通しが示されている。この通りの結果となった場合、保守党政権は次のような政策を打ち出すだろう。

◎1月31日までにEU離脱法案可決

ジョンソン首相は、自身が欧州連合(EU)と合意したEU離脱(ブレグジット)案の批准に必要な法案をクリスマス前に議会に再提出し、1月末までに可決させると約束している。

保守党の議員候補全員がこの案に支持を表明しているため、比較的円滑に可決されるだろう。

◎移行期間を延長せず

英国は1月31日の翌日からEU離脱の移行期間に入り、この間にEUとの新たな関係について交渉する。

現行のルールでは、移行期間を2022年12月まで続けることが可能だが、保守党は選挙公約で、20年末以降まで延長することはないと表明した。20年末までに新たな貿易協定の成立にこぎ着けられない場合、英国は実質的に再び「合意なきブレグジット」に直面する。通商専門家は、20年末までの成立は非現実的だとしている。

◎2月に予算発表

保守党はブレグジット後の予算を2月に発表し、医療サービス、教育、警察などの国内問題への支出を増やすと約束している。

◎移民

保守党は、ポイントに基づく「オーストラリア型」の移民制度を導入する計画。移民総数を削減し、特に職能の低い移民を減らすと約束している。

新制度ではEU市民と非EU市民を同等に扱い、大半の移民は求人がなければ英国に移れなくなる。公共サービスの人手不足を埋める移民や、科学やテクノロジーの分野で指導的立場にある移民については特別なビザ(査証)制度を設ける。

◎政府の借り入れ

ジャビド財務相は財政ルールを改定し、向こう5年間の支出上限を年200億ポンド増やすと表明。インフラ投資のための借り入れを、現在の国内総生産(GDP)比1.8%から3%に拡大するとしている。

◎貿易

保守党は、3年以内に英国の貿易の80%を自由貿易協定(FTA)に基づいて行う意向を示しており、米国、オーストラリア、ニュージーランド、日本との協定合意を優先する計画だ。

*カテゴリーを追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、方向感欠く取引 来週の日銀

ビジネス

米国株式市場=3指数下落、AIバブル懸念でハイテク

ビジネス

FRB「雇用と物価の板挟み」、今週の利下げ支持=S

ワールド

EU、ロシア中銀資産の無期限凍結で合意 ウクライナ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナの選択肢は「一つ」
  • 4
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 5
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 7
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中