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スリランカ大統領選で元国防次官が勝利、対立候補と大差
11月17日、スリランカ選挙管理委員会は、大統領選で前大統領の弟ラジャパクサ元国防次官(写真)が勝利したと発表した。11月17日、コロンボで撮影(2019年 ロイター/Stringer )
[コロンボ 17日 ロイター] - スリランカ選挙管理委員会は17日、大統領選で前大統領の弟ラジャパクサ元国防次官(70)が勝利したと発表した。18日に就任する予定。
スリランカは4月の250人以上の死者を出した連続爆破テロを受けて国民に怒りと恐怖が広がっており、ラジャパクサ氏は国の安全確保を約束して対立候補のプレマダサ住宅建設・文化相を破った。同国は観光業が落ち込んで過去15年間で最悪の不況に陥っており、新大統領には景気回復の期待も託されている。
ラジャパクサ氏は勝利後、人種や宗教を巡る深い亀裂を乗り越えて全スリランカ国民の指導者になると宣言し、民族融和路線を打ち出してみせた。
選管によると、得票率はラジャパクサ氏が52.25%、プレマダサ氏が41.99%で、票差は政治家やアナリストの予想よりもはるかに大きかった。
ラジャパクサ氏は10年前、当時大統領だった兄マヒンダ氏と共に少数派タミル人の掃討をはかり、内戦を終結させた。その際、内戦末期にラジャパクサ氏は大規模な人権侵害を行った疑いがもたれている。西側諸国とインドが同氏から距離を置く中、中国が戦後復興の大規模投資で存在感を増した。
兄弟はプレマダサ氏よりも中国寄りとみられている。マヒンダ氏は新政府で要職に就く見通し。アナリストは、兄弟が権力に返り咲いたことでスリランカは親中国に傾くとみられ、「中国は大歓迎だろう」と話した。