ニュース速報

ワールド

中国、約22兆円の対米黒字削減案を提示=米政府筋

2018年05月18日(金)12時38分

 5月17日、中国は、米国の対中貿易赤字の最大年2000億ドル削減に向けて、通商面での譲歩や米国製品の購入拡大を含む一連のパッケージを提案した。写真はトランプ米大統領。ワシントンで3月撮影(2018年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 17日 ロイター] - 中国は、米国の対中貿易赤字の最大年2000億ドル(約22兆円)削減に向けて、通商面での譲歩や米国製品の購入拡大を含む一連のパッケージを提案した。事情に詳しい複数の米当局者が明らかにした。

貿易摩擦の解消を目指してワシントンで17日に始まった両国の協議で提案が行われたという。ただ、削減額がどのように決定されたかは現時点で不明。

当局者の1人は、米航空機大手ボーイングが中国による提案で大きな恩恵を受けることになると語った。ボーイングは米国最大の輸出業者で、既に商用機の約4分の1を中国に輸出している。

別の当局者はパッケージについて、果物やナッツ類、豚肉、ワイン、ソルガムなど約40億ドル相当の米農産物に現在課せられている関税を中国が一部撤廃することが盛り込まれている可能性があると述べた。

ホワイトハウスは声明で、今回の会合は「継続中の通商協議」の一環と説明。トランプ米大統領は、劉鶴副首相が代表を務める中国交渉団と、ムニューシン米財務長官が率いる米側代表団と面会したという。

ホワイトハウスは「米当局者は、中国との公平な通商関係を目指すとしているトランプ米大統領の明確なゴールを伝えた」としている。

米国の対中貿易赤字(モノの貿易)は昨年は3750億ドル。赤字額を持続的に2000億ドル削減するためには、両国間の貿易の内容が大幅に変わる必要がある。米国の対中貿易で昨年、最大の輸出品目は航空機(160億ドル)、2番目が大豆(120億ドル)となっている。

*円換算を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドル一時153.00円まで4円超下落、現在154円

ビジネス

FRB、金利据え置き インフレ巡る「進展の欠如」指

ビジネス

NY外為市場=ドル一時153円台に急落、介入観測が

ビジネス

〔情報BOX〕パウエル米FRB議長の会見要旨
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 8

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 9

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中