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中東主要国が「テロ支援」でカタールと断交、イラン反発

2017年06月06日(火)00時57分

 6月5日、サウジアラビアはカタールとの外交関係を断ち切り、陸・空・海の全てにおいて同国との接触を断つことを決定した。バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)とエジプトの4カ国も、カタールとの国交断絶をそれぞれ発表している。写真はカタールの国旗(2017年 ロイター/Thomas White)

[ドバイ 5日 ロイター] - サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンは5日、テロリズムを支援しているとしてカタールと国交を断絶した。

トランプ米大統領の中東訪問が今回の断交につながったとの見方が出ており、同氏の中東訪問から2週間あまりで、新たな傷口が開いた格好となる。

カタールは長らく中東地域の紛争の仲介者の役割を果たしてきたが、エジプトのほか湾岸主要国はこれまでもカタールがイスラム組織「ムスリム同胞団」などを支援しているとして非難。今後、カタールがムスリム同胞団や、域内でサウジと対立するイランを支持しているとの非難が強まることになる。

4カ国の協調断交に続き、イエメン、モルジブ、およびリビア東部を拠点とする世俗主義勢力もカタールと断交した。

カタール政府は他国に干渉しているとの批判を否定。同国の外務省は「断交は「不当で、事実無根の主張や疑いに基づいている」との声明を発表した。

イランはトランプ米大統領のサウジ訪問が断交につながったと批判している。

ジュネーブ安全保障政策センター(GCSP)のグローバルリスク・リジリエンス部門責任者のジャンマルク・リックリ氏は、「トランプ氏は政治的なムスリム、およびイランに非常に強く反対しているため、米国でトランプ政権が誕生したことにより、湾岸の勢力均衡に変化が見られている」と指摘。

「トランプ氏はアブダビとリヤドと完全に連携している。さらに、イラン、およびムスリム同胞団が掲げる政治的なムスリムとはまったく妥協しない構えだ」と述べた。

サウジは、カタールとの外交関係断絶の決定にあたり、テロと過激派の危険から国の安全を守るために必要な措置と説明。陸・空・海全てにおいてカタールとの接触を絶つとした。

サウジとバーレーンの民間航空当局はカタールの航空機の自国内の空港への着陸を禁止。領空内の通過も禁止した。カタール航空はサウジへのすべての航空便をキャンセルしたことを明らかにしている。

国営サウジ通信(SPA)は、カタールが「域内の安定を阻害しようとするムスリム同胞団、ISIS(「イスラム国」)、アルカイダを含む複数のテロリスト・宗派組織を支援し、常にメディアを通じてこうした組織のメッセージや構想を広めている」と指摘した。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラに言及したとみられる。

SPAはまた、シーア派住民が多数を占めるサウジ東部のカティーフ、およびバーレーンでイランの後押しを受けていると見られる武装勢力をカタールが支援していると非難した。

サウジ、UAE、バーレーンはカタールとの交通を遮断し、国内のカタール国籍の訪問者や居住者に対し2週間以内の退去を求めた。エジプトの国営通信社は、カタールがアラブ地域の安全保障を脅かし、「アラブ社会の対立と分裂の種をまいている」とした。

こうしたなか、ティラーソン米国務長官は、米政府は湾岸の同盟国に対し意見の相違を克服するよう求めたことを明らかにしている。

*内容を追加して再送します。

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