ニュース速報

ワールド

インタビュー:自衛隊の潜水艦に豪州製部品を=ゼノフォン豪上院議員

2015年07月09日(木)19時14分

 7月9日、次期潜水艦を日本で造ることに異議を唱えるオーストラリアのゼノフォン上院議員(無所属)はロイターとのインタビューで、自衛隊向けの潜水艦に豪州製の部品を使用するなら、日本の案も選択肢になるとの考えを示した。写真は海上自衛隊の潜水艦。2006年10月撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)

[東京 9日 ロイター] - 次期潜水艦を日本で造ることに異議を唱えるオーストラリアのゼノフォン上院議員(無所属)は9日、ロイターとのインタビューで、自衛隊向けの潜水艦に豪州製の部品を使用するなら、日本の案も選択肢になるとの考えを示した。

来日中のゼノフォン上院議員は、神戸市に潜水艦の製造施設を置く三菱重工業 <7011.T>と川崎重工業<7012.T>を訪問。防衛省と海上自衛隊、経済産業省の関係者とも意見を交わした。

同議員は日本側に対し、現行のコリンズ級潜水艦を調達したときと同様、全体の7割を豪州国内で造るのが最低条件だと伝えたという。さらに豪州で造る部品を自衛隊のそうりゅう型に使うことを提案したという。

ゼノフォン氏はロイターに対し「(そうりゅう向けの)部品を豪州で造るなら、日本の立場を一変させる」と語った。

豪政府は2030年代ごろに潜水艦の世代交代を計画。当初は日本からの輸入を検討していた。

しかし、豪国内の雇用に打撃を与えるとして反対の声が強まったことから、日本、ドイツ、フランスから提案を受ける方針に転換した。

ゼノフォン氏によると、独、仏は豪州で生産することを提案しているという。日本は提案内容をまだ固めていない。

議員は「豪政府が国外で造ることを選択すれば、選ばれた国は豪政治の騒ぎに巻き込まれるだろう」と述べた。

造船業が集積する南オーストリア州選出のゼノフォン氏は、潜水艦の調達計画を次期選挙の争点にすると指摘。与党・自由党が同州で持つ議席すべてに対し、対立候補を立てる考えを示した。自由党の6議席のうち、4議席は確保したいと語った。

(ティム・ケリー、久保信博 編集:田巻一彦)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ・メディアがM&Aで事業拡大方針、利益相反

ワールド

シリア暫定大統領、米大統領との会談模索 トランプタ

ワールド

昨年のポーランド商業施設の大規模火災、ロ情報機関が

ワールド

ベトナムとロシア、原発建設に向け早期の協定締結で合
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王子との微笑ましい瞬間が拡散
  • 3
    「隠れ糖分」による「うつ」に要注意...男性が女性よりも気を付けなくてはならない理由とは?
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    ロシア艦船用レーダーシステム「ザスロン」に、ウク…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 8
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 9
    「股間に顔」BLACKPINKリサ、ノーパンツルックで妖艶…
  • 10
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 5
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 6
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 7
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 8
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中