ブランシャール教授、消費税減税に消極的=諮問会議議事要旨
Yoshifumi Takemoto
[東京 8日 ロイター] - 内閣府が8日に公表した3月26日の経済財政諮問会議議事要旨によると、日本の財政・金融政策に対する海外の識者として参加したブランシャール・マサチューセッツ工科大学(MIT)名誉教授が、消費税減税に消極的な意見を述べていたことが明らかになった。同席したロゴフ・ハーバード大教授はドルの地位低下で日本円が恩恵を受ける可能性を指摘している。
<純債務と総債務、「目的によってそれぞれ有用」>
議事要旨によると、民間議員の永浜利広氏が、景気が悪いときには浮揚させ、過熱しているときには冷ます「自動安定化」政策に関して、「ブランシャール教授はこれまで消費税を自動安定化の仕組みの一部として活用する可能性についても論じられていると思うのだが、こうした文脈において自動安定化装置の意義をどのように考えるか」などと質問。
これに対してブランシャール教授は「自動安定化装置について、私は以前からこれを推進してきた」と回答。その上で、「現在の日本には構造調整が必要である。その意味で、今の優先課題は、1年や2年だけ付加価値税を下げることではなく、構造調整を行うことだと私は思う。不況であれば意味がある。しかし、今はそういう状況ではない。よって、『検討し、準備はしておくべき』だが、今日私が推したいプログラムの一部ではないと申し上げたいと思う」と回答した。
永浜氏は、「財政を考える際には、総債務で見るべきか、(政府保有債権を差し引いた)純債務で見るべきかは大きな論点だと思うが、日本のような国では財政の持続可能性や信認を判断する上で、どういった範囲でどの指標を軸に据えるべきだと考えるか」とも質問。
ブランシャール氏は、「債務について総債務を見るべきか純債務を見るべきかという点であるが、良い単一の数字はない。たとえば、見かけ上は債務水準が非常に低い国でも、年金制度が基本的に均衡を欠いているために巨大な暗黙の負債を抱えていることがある」と指摘。「ある目的には純債務が有用であり、別の目的には総債務が有用である」と加えた。
<ドルの地位低下、日本円に恩恵─ロゴフ氏>
ロゴフ教授は、ドルに関する質問に対し「ドルの支配的地位はこの10年ほど、実際に徐々に低下している状況にあると考えている」と指摘。日本は将来、(インターネットや電子機器でどの標準を採用するかといった問題と同じような形で)ドルをめぐる問題に直面するかもしれないとしたうえで、「しかし、日本はその点で非常に強い立場にあると思う。安全通貨の1つと見なされ続ける限り、日本はドル支配の漸進的な後退から恩恵を得る可能性がある」と発言した。
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