ニュース速報
ビジネス

バイナンス、アブダビ投資会社が20億ドル出資 ステーブルコインで

2025年03月13日(木)14時34分

アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のテクノロジー投資会社MGXは、暗号資産(仮想通貨)交換所大手バイナンスに、ステーブルコイン(ドルなどの法定通貨の価値に連動した仮想通貨)で20億ドル相当の出資を行った。両社が3月12日発表した。写真はバイナンスのロゴ。2023年6月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Elizabeth Howcroft Federico Maccioni

[ドバイ 12日 ロイター] - アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のテクノロジー投資会社MGXは、暗号資産(仮想通貨)交換所大手バイナンスに、ステーブルコイン(ドルなどの法定通貨の価値に連動した仮想通貨)で20億ドル相当の出資を行った。両社が12日発表した。

出資規模は仮想通貨業界で過去最大級。MGXはこの出資を通じてバイナンスの少数株主になる。ただ具体的な持ち分や、どのようなステーブルコインが使われたかなどは明らかにされていない。

2017年に立ち上げられたバイナンスは仮想通貨ブームに乗って世界最大の交換所となったが、創業者で最高経営責任者(CEO)だった趙長鵬氏は米国でマネーロンダリング(資金洗浄)防止法違反を理由に禁錮刑を言い渡され、昨年数カ月を刑務所で過ごした。

後継CEOのリチャード・テン氏は過去にアブダビの金融サービス規制当局のトップを務めた経緯もあり、バイナンスとUAEの結びつきが強まっている。

バイナンスは12日、UAEに相当規模の拠点を築き、従業員5000人のうち約1000人を現地で雇用していると明らかにした。

UAEは経済構造多様化計画の一環として、仮想通貨を含むデジタル資産の国際センターになることを目指しており、人工知能(AI)などの最先端技術に提携の枠組みを通じた投資を加速させる目的でMGXを設立した。

MGXのアーメド・ヤヒアCEOは「バイナンスへの出資はデジタル金融向けの先進的な(仮想通貨を支える)ブロックチェーン技術が秘める変革性に関与しようとするわれわれの取り組みの反映だ」と述べた。

既にMGXは、対話型生成AI「チャットGPT」を手がける米オープンAIや、実業家イーロン・マスク氏のAI企業xAIなどにも出資している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FOMCが焦点、0.25%利下げ見込みも反対票に注

ワールド

ゼレンスキー氏、米特使らと電話会談 「誠実に協力し

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

ガザ交渉「正念場」、仲介国カタール首相 「停戦まだ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中