バイナンス、アブダビ投資会社が20億ドル出資 ステーブルコインで
アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のテクノロジー投資会社MGXは、暗号資産(仮想通貨)交換所大手バイナンスに、ステーブルコイン(ドルなどの法定通貨の価値に連動した仮想通貨)で20億ドル相当の出資を行った。両社が3月12日発表した。写真はバイナンスのロゴ。2023年6月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Elizabeth Howcroft Federico Maccioni
[ドバイ 12日 ロイター] - アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のテクノロジー投資会社MGXは、暗号資産(仮想通貨)交換所大手バイナンスに、ステーブルコイン(ドルなどの法定通貨の価値に連動した仮想通貨)で20億ドル相当の出資を行った。両社が12日発表した。
出資規模は仮想通貨業界で過去最大級。MGXはこの出資を通じてバイナンスの少数株主になる。ただ具体的な持ち分や、どのようなステーブルコインが使われたかなどは明らかにされていない。
2017年に立ち上げられたバイナンスは仮想通貨ブームに乗って世界最大の交換所となったが、創業者で最高経営責任者(CEO)だった趙長鵬氏は米国でマネーロンダリング(資金洗浄)防止法違反を理由に禁錮刑を言い渡され、昨年数カ月を刑務所で過ごした。
後継CEOのリチャード・テン氏は過去にアブダビの金融サービス規制当局のトップを務めた経緯もあり、バイナンスとUAEの結びつきが強まっている。
バイナンスは12日、UAEに相当規模の拠点を築き、従業員5000人のうち約1000人を現地で雇用していると明らかにした。
UAEは経済構造多様化計画の一環として、仮想通貨を含むデジタル資産の国際センターになることを目指しており、人工知能(AI)などの最先端技術に提携の枠組みを通じた投資を加速させる目的でMGXを設立した。
MGXのアーメド・ヤヒアCEOは「バイナンスへの出資はデジタル金融向けの先進的な(仮想通貨を支える)ブロックチェーン技術が秘める変革性に関与しようとするわれわれの取り組みの反映だ」と述べた。
既にMGXは、対話型生成AI「チャットGPT」を手がける米オープンAIや、実業家イーロン・マスク氏のAI企業xAIなどにも出資している。
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